真夏の停電でエアコンが止まったら、部屋の温度はどこまで上がるのか。ペットや家族のいる家庭なら、考えるだけで落ち着かない場面ではないでしょうか。
そんなとき、ポータブル電源でエアコンは何時間もつのか?
今回試したのは、カタログ容量2,764.8Whの据置型「BLUETTI Apex 300」です。一般的な防災向けモデル(1,000〜2,000Wh)より大きい、家庭のバックアップを想定した大容量クラスにあたります。
この1台で日立の10畳用エアコンを冷房24℃で運転し、残量97%から0%まで使い切りました。何時間もったのか。結果と30分ごとの実測データを、順番に見ていきます。
BLUETTI Apex 300の基本性能は以下の記事をご覧ください。
結論:外気温32.5℃でも7時間15分、室温24℃前後を維持
残量97%→0%で7時間15分(100%換算で約7時間28分)。外気温32.5℃の時間帯を含め、室温は24℃前後で安定しました。

6月上旬としては暑い日で、13時には外気温が32.5℃まで上がりました。それでも11時以降の室温は24℃前後で安定。エアコンを起動できただけでなく、冷房として役割を果たせたと見てよさそうです。
拡張バッテリーを使わず、本体単体でここまで動かせたのは、据置クラスの容量ならではといえます。
検証条件:6月1日・冷房24℃・10畳で確認
今回の検証条件は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 検証日 | 2026年6月1日 |
| 使用ポータブル電源 | BLUETTI Apex 300 |
| 開始時刻-終了時刻 | 10:00 – 17:15 |
| 開始時バッテリー残量 | 97% |
| 終了時バッテリー残量 | 0% |
| 使用エアコン | 日立 白くまくん 10畳用 |
| カタログ消費電力 | 約800W |
| 設定温度・風量 | 冷房24℃・自動 |
| 開始時の室温 | 26℃ |
| 開始時の外気温・湿度 | 28.9℃・49% |
| 最大外気温 | 32.5℃ |
| 部屋 | 1階和室10畳 |
南面に窓が多く、日射の影響を受けやすい環境です。
今回は停電時に実際にエアコンを使う場面を想定し、バッテリーが0%になるまで運転を続けています。
実測データ:97%から0%まで、30分ごとの残量推移

30分ごとのバッテリー残量と、外気温・湿度・室温を記録しました。
外気温は最大32.5℃まで上がりましたが、室温は11時以降24℃前後で推移しました。起動できただけでなく、冷房として維持できた点が重要です。
30分ごとの記録は以下のとおりです。
| 時刻 | バッテリー残量 | 外気温 | 湿度 | 室温 |
| 10:00 | 97% | 28.9℃ | 49% | 26℃ |
| 10:30 | 89% | 28.9℃ | 48% | 25℃ |
| 11:00 | 82% | 29.6℃ | 44% | 24℃ |
| 11:30 | 74% | 30.7℃ | 41% | 24℃ |
| 12:00 | 68% | 30.6℃ | 37% | 24℃ |
| 12:30 | 61% | 31.0℃ | 37% | 24℃ |
| 13:00 | 53% | 32.5℃ | 33% | 24℃ |
| 13:30 | 46% | 32.0℃ | 29% | 24℃ |
| 14:00 | 38% | 31.9℃ | 28% | 24℃ |
| 14:30 | 29% | 31.2℃ | 34% | 24℃ |
| 15:00 | 22% | 30.7℃ | 40% | 24℃ |
| 15:30 | 18% | 30.9℃ | 32% | 24℃ |
| 16:00 | 13% | 29.6℃ | 32% | 23℃ |
| 16:30 | 7% | 28.9℃ | 33% | 23℃ |
| 17:00 | 4% | 28.0℃ | 42% | 23℃ |
| 17:15 | 0% | 27.5℃ | 47% | 23℃ |

立ち上がり:最初の30分は8%減、約545Wで冷房運転
今回は、開始から約12分後の時点で、消費電力は約545W前後で安定していました。
開始時の室温は26℃。設定温度は24℃なので、まずは部屋全体を冷やすためにしっかり冷房運転している状態です。
バッテリー残量も、10:00の97%から10:30には89%へ低下しました。最初の30分で8%減っているため、立ち上がり時の負荷はやや大きめです。
ただし負荷が高いのは立ち上がりだけです。11時には室温が24℃まで下がり、その後は消費電力も落ち着きました。
平均消費の目安:AC実効容量から概算すると約308W
Apex 300のカタログ容量は2,764.8Whです。
ただし、ポータブル電源はバッテリー内の電気を家庭用コンセントのAC100Vに変換するため、変換ロスが発生します。
筆者の別検証では、Apex 300で実際にAC電源として使えた容量は約2,300Whでした。
今回の検証は97%スタートなので、AC側で使えた電力量を概算すると、次のようになります。
約2300Wh × 97% = 約2231Wh
7時間15分、つまり7.25時間で割ると、平均消費電力は約308Wです。
残量別の目安:80%→20%なら約4時間半
0%まで使い切らず、20〜30%を残す運用がおすすめです。80%→20%の範囲なら、今回の条件で約4時間半が目安になります。
停電時に0%まで使い切る前提なら、今回のように7時間超の冷房運転ができました。
一方で、日常的な備えとしては、20〜30%程度の残量を残す運用のほうが安心です。
たとえば80%から20%までの範囲で使うなら、今回と同じ条件では約4時間半が目安になります。
真夏の停電時に、午後の暑い時間をしのぐ。夜間の数時間だけ冷房を確保する。こうした使い方が現実的だと思います。
ペットの停電対策:7時間超は安心材料、UPSも有効活用
今回の検証では、ペットがいる部屋を冷やす用途も想定しています。
夏場の停電で心配なのは、エアコンが止まって室温が上がってしまうこと。特に犬や猫が留守番している場合、短時間の停電でも状況によっては危険なことがあります。
今回、Apex 300は外気温32℃超の時間帯を含めて、10畳用エアコンを7時間15分動かせました。停電時の冷房確保として、心強いデータといえます。
「今日はゲリラ雷雨が来そうだな〜。留守番しているわんこが心配。エアコンが止まったらどうしよう」
そんなときに役立つのが、Apex 300のUPS機能(パススルー)です。コンセントとエアコンの間にApex 300を挟んでおくと、電気が来ている間はコンセントから、停電した瞬間にはバッテリーから、自動で電気が切り替わります。エアコンは止まることなく、今回の検証のように数時間動き続けます。
ただし、ポータブル電源だけに任せきる運用は避けたいところ。残量や室温、エアコンの状態を確認できるよう、温湿度計や見守りカメラも組み合わせると安心です。
ペットの停電対策は、こちらの記事で詳しく整理しています。
Link
関連記事
留守番ペットの停電対策|エアコンを止めない仕組みと危険温度の目安(サイト内ページへ)
注意点:今回の結果は条件によって大きく変わる
今回の7時間15分は、6月上旬・10畳和室・冷房24℃での結果です。外気温、部屋の断熱性、エアコンの機種によって大きく変わります。
ポータブル電源でエアコンを何時間使えるかは、以下の要因で大きく変わります。
- エアコンの機種・年式
- 部屋の広さ
- 窓の大きさや断熱性
- 日射の入り方
- 設定温度
- 風量設定
- 外気温と湿度
- 室内にいる人数
- ドアの開閉回数
- ポータブル電源の変換効率
今回の条件では、外気温32.5℃まで上がっても室温24℃を維持できました。
ただし、真夏の直射日光が強い日や、外気温35℃を超えるような条件では、消費電力がさらに増える可能性があります。
また、同じ10畳でも、木造か鉄筋か、窓の大きさ、カーテンや雨戸の有無で冷房負荷は変わります。
エアコン×ポータブル電源の基本的な考え方は、こちらで詳しくまとめています。
Link
関連記事
ポータブル電源でエアコンを使う方法の完全ガイド(サイト内ページへ)
他社製品との比較:必要容量は使う時間と季節で決まる
Apex 300は2,764.8Whの据置型ポータブル電源です。
容量が変わると、エアコンの稼働時間も変わります。条件が違うため単純比較はできませんが、容量ごとの感覚をつかむには、他モデルの実測も参考になります。
| リンクはレビュー記事 | 使えた時間 | 容量 | 実売価格 | 1Wh単価 | 製品をチェック |
| Jackery 1000 New | 約4時間 | 1,070Wh | 69,484円 | 64.9円 | 公式サイト| Amazon |
| Jackery 2000 New | 約8時間 | 2,042Wh | 119,898円 | 58.7円 | 公式サイト | Amazon |
| Jackery 3000 New | 約11時間 | 3,072Wh | 197,890円 | 64.4円 | 公式サイト | Amazon |
| BLUETTI AORA100 | 約4時間 | 1,152Wh | 59,625円 | 51.8円 | 公式サイト | Amazon |
| BLUETTI AORA200 | 約10.5時間 | 2,073Wh | 119,800円 | 57.8円 | 公式サイト | Amazon |
| BLUETTI Apex300 | 約7時間 | 2,764.8Wh | 179,550円 | 64.9円 | 公式サイト | Amazon |
| PECRON F3000LFP | 約11時間 | 3,072Wh | 139,800円 | 45.5円 | 公式サイト | Amazon |
| ALLPOWERS R1500 | 約5時間 | 1,152Wh | 70,000円 | 60.7円 | Amazon |
| Dabbsson DBS1000Pro | 約4時間 | 1,024Wh | 85,000円 | 83.0円 | 公式サイト | Amazon |
| Dabbsson DBS1400 Pro | 約5.5時間 | 1,382Wh | 94,300円 | 68.2円 | 公式サイト | Amazon |
| ALLPOWERS R3500 | 約9時間 | 3,168Wh | 200,000円 | 63.1円 | 廃番 |
| EcoFlow DELTA 2 | 約3.5時間 | 1,042Wh | 57,200円 | 54.9円 | 廃番 |
※注意:エアコン性能や環境により継続時間は異なります。【最終更新日:2026/06/04】
Apex 300の結果だけを見るのではなく、容量、季節、設定温度、部屋の条件を分けて考えると、自宅で必要な容量を判断しやすくなります。
長時間停電:24時間冷房は拡張バッテリーが必要
拡張バッテリーには、Apex 300に対応する2種類があります。本体と同じ容量の「B300K」(2,764.8Wh)と、新製品でほぼ2倍の容量を持つ「B500K2」(5,120Wh)です。
1台つなぐだけで、今回のような冷房を半日から丸一日近くまで延ばせる計算です。さらに増設すれば、構成しだいでシステム全体を十kWh〜百kWh規模まで広げられます(拡張の上限はモデルで異なります)。
どちらもApex 300用の接続ケーブルが同梱されているので、届いてすぐに接続できます。
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関連記事
BLUETTI 拡張バッテリー全品(サイト外ページへ)
最終判断:半日弱の冷房確保なら有力、24時間運用は拡張前提
今回の検証では、Apex 300単体で10畳用エアコンを7時間超動かせました。真夏日となる32.5℃の外気温でも室温24℃前後を保て、短時間の停電対策としては十分に頼れる結果です。
本体だけで24時間をまかなうのは難しいところ。ただ、20〜30%を残す日常運用でも4〜5時間ほどは確保でき、拡張バッテリーを足せば丸一日近い冷房も視野に入ります。短時間にも長時間にも段階的に備えを広げられるのは、据置型ならではの安心感ではないでしょうか。
午後の暑い時間をしのぐ。夜間の停電に備える。家族やペットのいる部屋を一時的に冷やす。こうした場面で、静かに役割を果たしてくれる一台です。防災の備えとして長く付き合える選択肢として、Apex 300は素直におすすめできると感じました。
