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BLUETTIから登場した「APEX 300」。その「Apex(頂点)」という名前には、特別な想いが込められています。
最初に結論からお伝えします。このBLUETTI Apex 300は、一般的な「便利なポータブル電源」とは全く異なる思想で設計された製品です。
多くの方が驚くであろう、USBポートやシガーソケットの非搭載。
これらは、開発者がスマートフォンの充電といった日常的な利便性をあえて手放し、「家庭のAC100V電源を丸ごと代替する」という、ただ一つの目的に技術を集約したことの証左です。
この記事では、APEX 300がなぜこのような仕様になったのか、その本当の理由をじっくりと解き明かしていきます。
この製品は「80台検証して選んだおすすめ7選」に掲載中

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簡単な結論
Apex 300は、冷蔵庫のような特定の家電製品を対象としたバックアップ電源として、優れた性能を発揮します。
その理由として、待機時の消費電力(自己放電)が少なく、インバーターの変換効率も高い水準にある点が挙げられます。
20製品以上を比較検証した筆者の所感ではありますが、同クラスの製品群の中では特に安定した性能を持つモデルの一つです。
一方で、本機はUSBやシガーソケットといったDC出力を標準で搭載していないため、スマートフォン充電など多目的な利用を一台で完結させたい方には不便に感じられるかもしれません。
もし汎用性を重視するのであれば、「BLUETTI Elite 200 V2」 のような選択肢が考えられます。
このモデルは待機時の消費電力が特に少なく、筆者の検証ではこれまで扱った製品の中で最も良好な結果を示しました。
なぜAPEX 300は選ぶ価値があるのか?他製品との決定的な違い
パワフルな製品は他にも存在しますが、APEX 300には、それらと一線を画す明確な設計思想と強みがあります。
| ブランド / 型番 | 実売価格 | 容量(Wh) | 定格出力(W) | 拡張最大容量 | 重量 | 100 V / 200 V 出力 |
| BLUETTI Apex 300 | 2,764.8 | 3,200 | 19kWh | |||
| Anker SOLIX F3800 | 約45.5万 | 3,840 | 6,000 | 26.9kWh | 60kg | |
| EcoFlow DELTA Pro 3 | 約35万 | 4,096 | 3,600 | 12kWh | 51.5kg | |
| Jackery 5000 Plus | 約40万 | 5,040 | 6,000 | 30kWh | 60kg | |
| Dabbsson 3000L | 約16万 | 3,072 | 3,000 | なし | 25.8kg |
※↑製品名のリンクは、当ブログ内のスペック詳細ページに移動します。

パワーと可搬性の最適な両立
定格3,200Wという高出力を持ちながら、重量は38kgに設計されています。
これは、なんとか一人でも車載できる範囲で、家庭用コンセント2つ分を超えるパワーを実現した、非常に考え抜かれたバランスと言えます。
圧倒的な長寿命が、資産価値を支えます
バッテリーの充放電サイクルは、公称で6,000回以上。
毎日繰り返し使用しても16年以上使い続けられる計算になり、3〜5年での買い替えが視野に入る一般的な家電とは、時間軸の概念が全く異なります。
この長期的な信頼性こそが、本機を単なる「消費物」ではなく「資産」たらしめる最大の理由です。
必要に応じて賢く育てられる拡張性

まずは本体から、暮らしの安心を手軽に始められます。
必要に応じて拡張バッテリーを買い足せば、最大で19kWhを超える大容量へ育てていけるのが大きな魅力。
「19kWh」と聞いても、すぐには量を想像しにくいかもしれませんね。
有名なTesla社の家庭用蓄電池「Powerwall」の容量が13.5kWhなので、APEX 300が、これを上回る容量を確保できるとわかります。
これは、4人家族のご家庭が使う、まる1日分の電気量にあたります。
たとえば停電時でも、冷蔵庫の食材を守り、夜は部屋の明かりを灯し、スマートフォンの充電も心配いりません。そんな「いつも通り」の安心を、1日以上も守ってくれます。
まさに「Start Simple, Scale Smart(シンプルに始めて、賢く育てる)」というBLUETTIの考え方そのもの。暮らしの変化に合わせ、無駄なく容量を調整できる賢い設計です。
使用シナリオ別評価:どのような方に最適か
この製品の真価は、具体的な目的を持つことで最大限に発揮されます。
| シナリオ | 解説 |
| 真夏の24 hエアコン+冷蔵庫 | |
| キャンプでスマホ充電のみ | |
| 車中泊で電子レンジ使用 | |
| 賃貸・工事なしの防災インフラ | |
| 小規模店舗のレジバックアップ |
電気の自給自足(オフグリッド)を始めたい方には◎
理由:キャンピングカーで一般的な電源規格「NEMA L5-30R」ポート1を標準搭載しているため、専門的な工事なしで車と直結し、エアコンなどの高出力な車内設備を稼働できます。
まさに「電力の独立」を実現するための、安全で信頼できる心臓部となります。
ご家族と事業を守るための防災投資として◎
理由:UPS(無停電電源装置)機能により、万が一の停電時も瞬時に電力供給を切り替え、PCのデータやサーバーといった重要な機器を守ります。
さらに、アプリで天気予報を検知し、嵐の接近を察知すると自動で満充電にして備える機能は、もはや防災用品の域を超え、事業継続計画(BCP)を支える堅実な「投資」と言えるでしょう。
日々の電気代を最適化したい方には◎
理由:6,000回という圧倒的なサイクル寿命があるため、日常的な充放電による劣化を心配する必要がほとんどありません。
電気代が安価な深夜電力を充電して日中に使用する、といった運用を気兼ねなく毎日続けることができます。これは、多くの製品を検証してきた経験から見ても、日々の利用をためらわせない、非常に大きなアドバンテージです。
▶︎ ポータブル電源×深夜電力の節約効果を計算してみた【投資回収期間シミュレーターあるよ】
外観と各ポートの役割:生活を支える、こだわりの設計

手に取ると、38kgというずっしりとした重みが伝わってきます。これは、中に大容量のバッテリーとパワフルな心臓部(インバーター)がぎっしり詰まっている証拠。
これから紹介する拡張バッテリーと一緒に使うことを考えると、このくらい骨太で頑丈な作りの方が、むしろ頼もしく感じますね。

持ちやすさ

両サイドの持ち手は本体と一体になっていて、がっちり掴めるので安定感があります。
ただ、正直なところ、女性一人で運ぶのは少し大変かもしれません。設置場所を決める際は、誰かに手伝ってもらうと安心です。
前面パネル:直感的に使える工夫がいっぱい

前面パネルには、操作に必要なボタンがきれいに並んでいます。
各種ボタンとAC出力ポート: アプリで「チャイルドロック」などの好きな役割を割り当てられるマジックボタンや、節電に役立つエコモードボタン、そして一般的な家庭用コンセントが4つ付いています。
ディスプレイ: 電源を入れると、くっきり見やすいカラー表示が登場。バッテリー残量はもちろん、今どれくらいの電気を使っているか、あと何時間使えるか、といった詳しい情報が一目でわかります。
充電スピード調整スイッチ: ディスプレイの右側には、充電の速さをカチッと切り替えられる物理的なスイッチがあります。
「夜の間に静かに充電したいな」という時に、わざわざアプリを開かなくても手元で操作できるのは、地味ながらとても便利です。

向かって左側面:パワフルな入出力ポート

左側面には、家や車と電気をつなぐための大切なポートが並びます。
- NEMA L5-30Rポート (100V, 30A): これは少し特別なポートで、多くの日本製キャンピングカーで使われている外部電源の差込口と同じ規格(NEMA L5-30R)です。これがあるおかげで、キャンピングカーと直接つないで、車内のエアコンなどを動かせます。
- AC入力ポート (100V, 15A Max.): 家庭の壁にあるコンセントから、Apex 300本体を充電するための入力ポートです。
- P050A双方向ポート (AC並列接続時 100V/200V, 50A): Apex 300をもう一台つなぐ時に使う特別なポートです。2台並列で200Vのパワフルな電化製品にも対応できるようになります。




向かって右側面:ソーラー入力・拡張バッテリーポート

右側面は、ソーラーパネルや追加のバッテリーをつなぐためのポートが集まっています。
- XT60ポート×2ポート(1ポートあたり:12-60V / 最大20A / 最大1200W)
- バッテリーパック拡張ポート
このXT60ポートは、走行充電器「BLUETTI Charger 1」やシガーソケットでの走行充電にも使います。



気になる大きさは?
2Lのペットボトルと並べてみると、その存在感がよくわかりますね。
- 横幅:52.5cm
- 高さ:32.7cm
- 奥行き:32.0cm
事前に置く場所をイメージしておくと、スムーズに設置できますよ。



BLUETTI Apex 300とBLUETTI Elite 200 V2の比較です。
Elite 200もバッテリー容量2,000Whクラスですが、Apex 300の大きさが目立ちますね。
Apex 300の設計思想:なぜ、あえて機能を「引き算」したのか?
APEX 300を見て、多くの方が「どうしてUSBポートがないんだろう?」と不思議に思うことでしょう。その答えは、この一台が目指した、3つの特別なこだわりに隠されています。
1.「手軽さ」と「本格的」の“いいとこ取り”を目指して
世の中には、持ち運びやすいポータブル電源と、専門工事が必要な家庭用蓄電池があります。
APEX 300が目指したのは、ちょうどその中間。
「工事はしたくないけど、本格的な電力の備えが欲しい」という声に、コンセントを挿すだけで応えられる、新しい仕組みを提供したかったのです。
2.「家庭の電気」そのものになることへの集中
スマートフォンを充電するといった細かな役割は、思い切って手放しました。
その代わりにすべての力を注いだのが、家の壁にあるコンセント(AC100V電源)を、まるごと代替できるパワフルな心臓部を作り上げること。ただ一点、家庭や仕事場に安心の電気を届けるという目的を追求した、こだわりの一台です。
3.必要なものだけを足していく「ブロック」のような考え方
USBポートなどの直流(DC)電源がないのは、それらの機能を「Hub D1」という別の箱(拡張ハブ)に分けたからです。
これを「モジュール設計」と呼びます。まるでブロックを組み立てるように、本当に自分に必要な機能だけを選んで追加できるので、無駄がなく、自分にぴったりのシステムを賢く作れるようになっています。
そして、これらのこだわりを技術で支えているのが、BLUETTI独自の「BLUETTI Tech Innovation 3.02」です。
AIが充放電を賢く管理する「PowerSense」や、熱に強い素材などで何重にも安全を守る「PowerArmor」といった技術が、公称6,000回という驚きの長寿命と、製品全体の高い信頼性を実現しているのです。
スペック表だけでは見えない、Apex 300の本当の実力
カタログの数字だけでは伝わらない、本質的な性能について解説します。
心臓部(インバーター)の性能:どれだけパワフル?

安定して電気を送り出す力(定格出力)は3,200W。これは家庭用の壁コンセント2つ分以上のパワーです。
さらに「電力リフト機能」というブーストモードを使えば、一時的になら最大6,400Wの電化製品にも対応できます。
定格3,200Wのパワーは本物です。実際の検証では、電子レンジ、ドライヤー、ホットクック、電気ケトルといった高負荷の家電を同時に稼働させても、安定して電力を供給し続けました。
実際に使える電気の量(実効効率)

カタログ上の容量は2,764.8Whですが、ポータブル電源は電気を変換する際に少しロスが生まれます。
実際に家庭用コンセント(AC電源)として使えたのは約2,300Whでした。
変換効率は約83%となり、「この家電なら何時間くらい使えるかな?」と計算するときの、とても大切な目安になります。
上の画像だと、白いワットチェッカーの下の値がBLUETTI Apex 300の実効バッテリー容量になります。
スタンバイ放置テストで判明した “Apex 300 の省エネ力”
検証条件:満充電 → AC出力オンで24時間放置、室温 25℃
| 機種 | 容量(Wh) | 24h後残量 | ロス率 | ロス量 | 平均待機電力 |
| BLUETTI Apex 300 | 2,764.8Wh | 84% | 16% | ≈ 442Wh | 18.4W |
| BLUETTI Elite | 2,073.6Wh | 89% | 11% | ≈ 228Wh | 9.5W |
| Jackery 1000 New | 1,070Wh | 66% | 34% | ≈ 364Wh | 15.2W |
| EcoFlow RIVER 3 | 230Wh | 63% | 37% | ≈ 85Wh | 3.6W |
| ALLPOWERS R1500 | 1,152Wh | 63% | 37% | ≈ 426Wh | 17.8W |
| Dabbsson DBS1000 Pro | 1,024Wh | 29% | 71% | ≈ 727Wh | 30.3W |
放電テストに関しては、後ほど記事になります。
目立ったのは、BLUETTI製品の効率の良さ。メーカーさんはもっとアピールしたほうがいいポイントですね。
① Apex 300 が光る 3 つのポイント
- 3kWh クラスで最小級のロス率16%
- 24時間後でも 2.3kWh以上をキープ
– 冷蔵庫 50 W なら ≈ 46 時間、LED 照明 10 W なら ≈ 230 時間 - 待機平均 18W → 日常待機電力の“豆電球 1.5個” 程度
– 常設しておいても電気代・発熱リスクが抑えられる
② どうしてここまで抑え込める?
| 高効率インバーター | 第 3 世代 MOSFET & トランスで待機電流を最適化 |
| AI バッテリー管理 “PowerSense” | 満充電付近は深いスリープへ移行し、セルバランスも維持 |
| 大容量 LFP セル | 自己放電が少なく、Wh あたりのロス率が低下 |
③ こんな使い方に向く
| シナリオ | Apex 300 のメリット |
| 災害備蓄72h | 1 日放置でも 2.3kWh残るため 冷蔵庫+通信機器が2日強動く |
| オフグリッド生活 | 夜間ロス ≈ 0.3kWh/日 → 2kW ソーラー 15分で補填可 |
| 常設車中泊 | 車載常時接続でも SOCを食い潰さず、出発前の残量不安が激減 |
充電性能:どれくらいの速さで満タンになる?
家庭用コンセントから最大1,440Wでの高速充電、さらにソーラーパネルからは合計2,400Wという非常に高い入力に対応しています。

家庭用コンセントからの充電
最大1,440W充電。本体のスイッチやアプリを使えば、約500Wでゆっくり静かに充電する「サイレントモード」も選べるので、就寝中などに便利です。
ソーラーパネルからの充電
ソーラーパネルを繋ぐためのXT60入力ポートが2つあり、合計で2,400W電気を太陽から取り込めます。ただし、電圧が最大60Vと少し低めに設定されている点には注意が必要です。
もし、よりパワフルなソーラーシステムを組みたい場合は、別売りの「Solar X4K」というパーツを追加することで、この制限を解決し、最大で6,400Wという、もはや小さな発電所のような充電環境を作ることも可能です。
結論:未来を見据えた「移動できるインフラ」という選択

APEX 300を手に入れることは、便利な道具を購入するのとは少し意味が異なります。
それは、これからの暮らしを支える「コア・エンジン」であり、「移動できるインフラ」という新しい選択肢を手に入れることです。
この製品最大の価値は、ライフスタイルの変化や、万が一の引越しにも対応できる、その柔軟性にあります。
一度設置すると動かせない数百万円クラスの据え置き型蓄電池にはない、決定的な利点です。
10年、15年と、あなたの人生に長期的に寄り添うパートナーとなること。そのために、公称6,000回というサイクル寿命が絶対的な意味を持ちます。
もしあなたが、目先の小さな利便性ではなく、将来にわたる絶対的な安心と経済的メリットという本質的な価値を求めているのであれば、このAPEX 300は最も賢明な選択肢の一つとなることを、これまでの検証経験から強くお伝えします。
次回予告:「第二弾では、この圧倒的な基礎体力を持つApex 300で、日本の家庭における最重要課題『エアコンの連続駆動』に挑みます。果たして真夏を乗り切れるのか、ご期待ください。」
用語解説(脚注)
NEMA TT-30R端子:主にキャンピングカー(RV)で使用される30アンペアの電源コンセントの規格を指します。特別なアダプターなしでキャンピングカーに直接電力を供給でき、車内の設備を動かすことが可能となります。
UPS機能:「Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)」の略称です。停電を検知すると、瞬時(0~20ms)にバッテリーからの電力供給に切り替わります。パソコンのデータ損失や精密装置の故障などを防ぐ機能となります。
ホットスワップ技術:電源を落とさずに、バッテリーなどの部品を交換できる技術のことです。APEX 300では、この技術により家庭での利用とポータブルな利用を電力供給を途切れさせることなく切り替えられます。
- NEMA規格で選ぶポータブル電源|家庭・事業所のBCP対策からEV充電まで ↩︎
- BLUETTI Tech Innovation 3.0:BLUETTI独自のコア技術の総称です。AIが充放電を調整しバッテリー寿命を延ばす「PowerSense」、多層保護や難燃性素材で安全性を高める「PowerArmor」、高密度設計で省スペース化を実現する「BLUELIFE Ecosystem」などが含まれています。 ↩︎
