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停電したとき、あなたの家に必要な電力はどのくらいでしょうか。
「冷蔵庫は動かしたい」「スマホは充電したい」
漠然とした希望はあっても、それが何ワット・何Whなのか把握できている方は少ないと思います。
この記事では、7メーカー32製品を防災シナリオ別にスコアリングした結果を公開しています。
あなた自身の条件で最適な1台を探せる診断ツールも用意しました。
「必要な電力から逆算して選ぶ」ための情報を、この1ページにまとめています。
防災だけでなく普段使いも含めた「1台目」を探している方は、80台以上を検証して選んだポータブル電源7選も合わせてチェックしてみてください。
防災用ポータブル電源を選ぶウェブツール
使いたい家電を選ぶだけで、32製品の中からあなたの条件に合うモデルをスコア付きで表示します。
診断対象:パワーバンクスが選んだ32製品
ツールに収録しているのは、実機を検証済み、またはスペックと価格のバランスが防災用途に適していると判断した32製品です。
「とりあえず全部入れた」のではなく、防災で使う前提で候補になりうるものだけを選んでいます。
↓クリックすると製品リストを確認できます。
ツールの使い方:基準は「停電2時間」
エアコンも冷蔵庫も、2時間つけっぱなしにした場合の消費電力量で計算しています。
電子レンジとケトルは2時間のうち10分ずつ使う想定です。
停電時に多くの人が使う8つの家電があります。
照明・スマホ・Wi-Fi・冷蔵庫・エアコン・テレビ・電子レンジ・ケトルの8つで、最初からONになっています。
「自分は使わないな」という家電をタップしてOFFにするだけで、すぐ診断に進めます。
もちろん電気ストーブや電気毛布、ノートPCなど、追加したい家電があればタップでONにできます。
もっと長い停電に備えたい場合は、結果のWh数を倍にして考えてみてください。
診断ロジックについて
同時使用ピーク出力は、照明・ルーター・スマホを「常時ベースロード」として合算しています。
調理家電は同時に使わない前提で、カテゴリ内の最大値のみを加算する仕組みです。
「電子レンジとケトルを両方チェックしたら候補がゼロ」という問題は起きない設計にしました。
スコアの重み付けは、容量(Wh) 35%、出力(W) 30%、予算 20%、持ち運び 15%。
防災用途では「容量が足りるか」「出力が足りるか」が最優先になるため、この配分を採用しています。
「32製品は多すぎる、まずは定番が知りたい」という方は、80台以上を検証して選んだベストバイ7選も参考にしてみてください。
停電時に必要な電力を「見える化」する
ツールの診断結果がなぜその数値になるのか、背景を知っておくとより納得感が出ます。
ここでは「よくある間違い」と「正しい考え方」、そして防災時の家電のリアルな消費電力データを順に見ていきます。
よくある間違い:家電のW数を全部足す

メーカーの公式ツールや比較サイトでは、使いたい家電の消費電力を合計する方法がよく紹介されています。
しかし、この計算には落とし穴があります。
たとえば「冷蔵庫+エアコン+電子レンジ+照明+スマホ充電」を全部選んだ場合。
合計は1,690W、消費電力量は数千Whに達します。
この条件で診断すると「該当ポータブル電源はありません」——こんな結果になった方もいるのではないでしょうか。
でも実際には、電子レンジを使う5分間に電気ケトルやエアコンを同時に動かす場面は少ないはずです。
冷蔵庫のコンプレッサーも常時回っているわけではなく、平均消費電力は定格の半分以下になることが多い。
つまり「全部同時に使う前提」の計算は、必要スペックを過大評価してしまいます。
正しい考え方:「同時使用ピーク」と「消費電力量」を分ける

停電時の電力ニーズを正確に把握するには、2つの数値を分けて考えることが大切です。
① 同時使用ピーク出力(W)
ある瞬間に同時に動かす家電の合計ワット数です。
ポータブル電源のAC定格出力がこの数値を上回っていれば、すべての家電を動かせます。
② 消費電力量(Wh)
各家電の消費電力 × 使用時間の合計。
ポータブル電源の容量(Wh)がこの数値を上回っていれば、その時間分の電力を賄えます。
実際には、電力のロスがありますが、ここではないものとして計算しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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関連記事
ポータブル電源で後悔した人には、理由があった。電力ロスの話。(サイト内ページへ)
この記事では、2時間の停電に耐えることを目標としています。
まず2時間分の電力を把握し、より長い停電に備えたい場合は倍率をかけて見積もれば大丈夫です。
この2つを分離するだけで、必要な製品スペックの見積もりは大きく変わってきます。
防災時の家電、実際の消費電力はいくらか

6年間で80台以上のポータブル電源を実機テストしてきた経験から、防災時に使われる家電の「リアルな消費電力」をまとめました。
| 家電 | 定格消費電力 | 実使用の平均 | 備考 |
| LED照明 | 10W | 10W | USBランタン等 |
| スマホ充電 | 15W | 15W | 情報収集の生命線 |
| Wi-Fiルーター | 15W | 15W | ネット接続維持 |
| 冷蔵庫 | 100〜150W | 約65W | 間欠運転 |
| エアコン | 500〜1500W | 約600W | 内外気温差による |
| 電気ストーブ | 400〜1200W | 約800W | セラミックヒーター中〜強 |
| 扇風機 | 30W | 30W | エアコンの代替手段 |
| 電気毛布 | 50W | 50W | 冬の低体温対策 |
| テレビ | 80〜150W | 約100W | 40型前後の液晶 |
| ノートPC | 60〜90W | 65W | 在宅ワーク維持 |
| 電子レンジ | 800〜1500W | 1000W | 2時間で10分程度使用 |
| 電気ケトル | 1000〜1300W | 1000W | 2時間で10分程度使用 |
注目してほしいのは「実使用の平均」の列です。
冷蔵庫は定格150Wでも、コンプレッサーの停止時間を含めると平均65W程度に落ち着きます。
一方、調理家電は定格が高いものの使用時間が極端に短い。
- 電子レンジは1000W × 10分 = 約167Wh
- 冷蔵庫は65W × 2時間 = 130Wh
2時間で見ると差は小さいですが、停電が長引くと冷蔵庫の影響が大きくなっていきます。
32製品のデータから見えた4つの傾向
32製品の定価スペックをまとめて比較しました。
ここでは「へぇ、そうなんだ」で終わらない、製品選びの判断に直結する傾向を4つ取り上げます。
より詳しいメーカー別分析やポジショニングマップは、別記事で深掘りする予定です。
傾向①:容量が大きいほど円/Whは下がる——ただし「逆転」がある
ポータブル電源は一般に、容量が大きいほど1Whあたりの単価が安くなります。
32製品のデータでも、この傾向は確認できました。
400Wh未満の小型モデルは平均131.8円/Wh。 1,100〜2,200Whの中大型モデルでは平均94.3円/Whまで下がっています。
ところが、2,200Whを超えると平均118.9円/Whに逆上昇。
3,000Wh以上の超大容量モデルに「プレミアム価格」が乗っているためです。
大容量だからお得とは言い切れません。
「自分に必要な容量帯で最もコスパの良い製品を選ぶ」という視点が大切ではないでしょうか。
たとえば2,000Whクラスでは、EcoFlow DELTA 3 2000 Airが70.2円/Whで最安。
同クラスのDabbsson 2000Lは82.9円/Whで続きます。
2,200Wの高出力を考えると、防災用途ではこちらのほうが使い勝手がいいケースも多いかもしれません。
傾向②:「容量は足りるのに出力が足りない」製品が存在する
ポータブル電源の「容量(Wh)」と「出力(W)」は別のスペック。
それなのに、容量だけで選んでしまう人は少なくありません。
32製品を分析すると、出力/容量比(W/Wh)が0.5未満の製品が2モデルありました。
EcoFlow DELTA 3 2000 Air(1,920Wh / 1,000W)と、EcoFlow DELTA 3 1000 Air(960Wh / 500W)です。
どちらも容量は十分ですが、出力が低いためエアコンには対応が難しい構成。しかし、雷サージ機能を搭載しているので、落雷などの停電には強いという個性的なポータブル電源。
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関連記事
【雷対策】ポータブル電源は雷で壊れる?UPSとの違い・サージ保護つき製品を紹介(サイト内ページへ)
逆に、小型なのに出力が高い「出力特化型」もあります。
PECRON E300LFP(288Wh / 600W)は容量こそ小さいものの、出力600Wで電子レンジ以外のほとんどの家電をカバーできます。

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関連記事
PECRON ポータブル電源 E300LFP 2万円台で電気ケトル使える!(サイト内実機レビューへ)
同じ300WhクラスでもEcoFlow RIVER 3(230Wh / 300W)は出力300Wにとどまります。
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買って大満足!EcoFlow RIVER 3:ポータブル冷蔵庫やPCのUPSに使ってます(サイト内実機レビューへ)
容量が同程度でも、出力の違いで動かせる家電はかなり変わってくるもの。
診断ツールが容量と出力を別々にスコアリングしているのは、この問題を見える化するためでもあります。
傾向③:エアコン対応機は13台。実用的な選択肢はさらに絞られる

停電時にエアコン+調理家電を動かすには、最低でもAC出力2,000W以上が必要です。
32製品中、この条件を満たすのは13台。
さらに「20kg以下で持ち運べる」という条件を加えると、候補は5台に絞られます。
| 製品 | 容量 | 出力 | 重量 | 定価 |
| Jackery 1500 New | 1,536Wh | 2,000W | 14.5kg | 149,800円 |
| Jackery 2000 New | 2,042Wh | 2,200W | 17.9kg | 209,800円 |
| Dabbsson 2000L | 2,048Wh | 2,200W | 18.6kg | 169,800円 |
| Anker Solix C2000 Gen2 | 2,048Wh | 2,000W | 18.9kg | 199,900円 |
| EcoFlow DELTA 3 2000 Air | 1,920Wh | 1,000W | 17.5kg | 134,700円 |
注意してほしいのは、EcoFlow DELTA 3 2000 Air。
17.5kgと軽量ですが、出力は1,000Wしかありません。
エアコンの起動電力には対応が難しいため、このリストでは実質4択になります。
この4台の中から選ぶなら、コスパのDabbsson 2000Lか、軽さのJackery 1500 Newか。
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Dabbsson 2000L記事一覧(サイト内ページへ)
ブランドの安心感を重視するならAnker Solix C2000 Gen2も有力な選択肢といえます。
傾向④:メーカーごとに「得意な土俵」が違う

32製品を俯瞰すると、各メーカーの戦略の違いが見えてきます。
Anker:3製品とも円/Whが97.6円で横並び。定価を統一的にコントロールしている印象です。
容量帯は1,024〜3,072Whをカバーし、「どれを選んでもWh単価が同じ」という分かりやすさがあります。
ガジェットメーカーとしての信頼感を日本では醸成できているのが強みですね。
Dabbsson:円/Wh平均101.2円で全体2位。
特に2000Lは2,200W出力と82.9円/Whを両立しており、コスパと実用性のバランスが目を引きます。
エネルギー密度(Wh/kg)も全メーカートップの99.7 Wh/kg。軽くて安いという、選ばれやすい条件がそろっています。
アプリはポータブル電源メーカー1,2を争う良い出来。
Jackery:240 Newから5000 Plusまで、最も幅広い容量帯をカバーしています。
円/Whは116.6円と中位ですが、品質・サポート・リセールバリューを含めた「総合的な安心感」が強みといえるでしょう。
EcoFlow:出力/容量比のバラつきが最も大きいメーカー。
DELTA 3シリーズだけで11モデルあり、同じ1,024Whでも出力1,500Wのものと500Wのものが混在しています。
「モデル名が似ているのにスペックがかなり違う」ので、比較は慎重に進めたいところ。
BLUETTI:円/Whは平均139.6円とやや高めですが、セールでは他のブランドと同等レベルになります。
AORA 200(2,200W出力)やAPEX 300(3,200W出力)など、大容量モデルは非常に高効率。
私が検証したメーカーでもっとも性能が良いと評価しています。
ALLPOWERS:R1500LITEが1,600W出力 × 122.9円/Whで、中容量帯の「隠れた実力派」。知名度では他社に劣るものの、スペックだけ見れば価格以上の性能を持っています。
これらの傾向をさらに深掘りした分析記事は、近日公開予定です。
まとめ:自分の停電に必要な電力から逆算して選ぶ

防災用ポータブル電源選びで最も大切なのは、「停電時にどの家電をどのくらい使いたいか」を具体的に把握すること。
この記事のツールで、まずは2時間の停電で必要なWhを把握してみてください。
そこから「もっと長い停電に備えたい」なら倍率をかけるだけ。必要なスペックが見えてきます。
32製品すべてに対して、あなたの条件での適合度をスコア付きで表示。
「候補がゼロ」にはなりません。
どの製品にも、「ここは足りる」「ここは工夫が必要」という判断材料が表示されます。
停電は、いつ来るか分かりません。でも備えは、今日から始められます。
防災だけでなく普段使いも含めた「1台目」を探している方は、80台以上を検証して選んだベストバイ7選も合わせてチェックしてみてくださいね。
