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2026年4月、政府が家庭への備蓄を改めて呼びかけています。
ホルムズ海峡の封鎖を受け、高市総理大臣は2026年3月31日の「中東情勢に関する関係閣僚会議」で、以下のように発言しました。
「石油製品・関連製品を始め、中東情勢の影響を受ける重要物資の供給状況を総点検し、重要物資の安定供給確保のための具体的な対応方針の検討をお願いします」
首相官邸「中東情勢に関する関係閣僚会議」2026年3月31日
現時点では石油・LPガスの国家備蓄は石油で約116日分、LPガスで約50日分(輸入量換算)を維持しています。
ただし新規輸入が制限されている状況では、この備蓄は消費される一方です。
「いつか備えよう」から「今すぐ動く」に切り替えるタイミングかもしれません。
この記事は、農林水産省が推奨する「最低3日・理想1週間」を基準に、食料・水・燃料・電力を3ステージで整理。
ポータブル電源を主軸に置いた備蓄の実践ロードマップです。
この記事の読み方:3ステージ早見表

時間軸で備えを分けると、「次に何を買えばよいか」が見えてきます。
| ステージ | 想定時間 | 主な目的 |
| ステージ1 | 8時間 | 暗さとスマホ切れを防ぐ |
| ステージ2 | 24時間 | 冷蔵庫と温かい食事を守る |
| ステージ3 | 48時間 | 発電・蓄電・睡眠を整える |
一気に揃える必要はありません。ひとつ足すたびに、リスクは着実に下がります。
0. ガスと電気:役割を分けて考える
「ガスか電気か」という二択で悩むことがあります。
しかし正確には、それぞれに得意な領域があります。
カセットコンロ(ガス)が優位な場面

調理・加熱は、ガスが信頼性において優位です。
火力が強く、消費エネルギーあたりのコストが低い。
電力がゼロでも使えることが、停電初日には特に重要です。
LPガスは「分散型エネルギー」としての特性を持ち、都市ガスや電力のような大規模インフラに依存しません。
容器(ボンベ)単位で供給でき、災害時の復旧も早い1。
カセットボンベは100円ショップでも入手できる流通網の強さもあります。
ポータブル電源が優位な場面

照明・スマホ充電・情報収集(ラジオ・テレビ)は電気が必要です。
冷蔵庫の維持も電気でしか対応できない。
夏の扇風機、冬の電気毛布など、体温管理に直結する機器も電気の領域です。
この2つを組み合わせることで、備えはずっと現実的になります。
使いたい家電を選ぶだけで32製品からスコア付きの候補が分かるツールを作りました
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関連記事
防災用ポータブル電源 診断ツール(32製品比較)(サイト内ページへ)
1. 全ステージ共通:今すぐ揃える基本備蓄リスト
停電の長さに関係なく、まず確保したい必需品です。
農林水産省は「最低3日分、できれば1週間分」の備蓄を推奨しています2。
飲料水

1人・1日あたり3リットルが目安です(農林水産省)。
飲料用と調理用を合わせた量です。
| 人数 | 3日分 | 1週間分 |
| 1人 | 9L(2Lボトル約5本) | 21L(2Lボトル約11本) |
| 2人 | 18L | 42L(2Lボトル約21本) |
| 4人 | 36L | 84L |

飲料水は「普段用のミネラルウォーター」と「5〜7年保存水」の2系統で備蓄すると、ローリングストックがスムーズ
非常食

農林水産省が推奨するローリングストック法が、最も無駄がありません3。
普段から少し多めに買い、古いものから消費して補充するサイクルです。
大人2人・1週間分の目安量
| 区分 | 品目例 | 目安量 |
| 主食 | 米、パックご飯、カップ麺、乾麺 | パックご飯12個、乾麺1.2kg、カップ麺12個 |
| 主菜 | 缶詰(魚・肉)、レトルト食品 | 缶詰18〜21缶、レトルト18〜21個 |
| 副菜 | 野菜ジュース、乾物、野菜缶詰 | 野菜ジュース14本、野菜缶詰7缶 |
| 嗜好品 | チョコレート、羊羹、インスタントスープ | 精神的な安定にも寄与する |
長期備蓄では炭水化物に偏りやすく、タンパク質・ビタミン・食物繊維が不足しがちです。
缶詰(魚・肉・豆類)をしっかり入れておくと、栄養バランスが保ちやすくなります。
永谷園 フリーズドライご飯:お湯でも水でも戻せるので調理エネルギーを節約。「チャーハン味」や「ピラフ味」など味のバリエーションが豊富で、お湯で3分、水でも5分で完成する手軽さが魅力です。5年の長期保存が可能。
ケロッグ オートミールごはん:水でも戻せる主食代替。調理不要。はちみつやお茶漬けの素などお米とパンの代わりができる。
井村屋 えいようかん 5本×4箱 — 甘さとカロリーで素早く気力を回復
カロリーメイト ロングライフ20箱 — 常温3年保存、手を汚さずエネルギー補給。

非常食は「開封即食」「お湯で戻す」「温めて食べる」の3層で用意すると飽きませんよ!
衛生用品
簡易トイレは備蓄の中で最も軽視されやすいアイテムです。
1日8〜12回が現実的な使用回数で、断水時に水洗トイレは使えません。
| ステージ | 想定時間 | 1人あたり必要回数目安 |
| ステージ1 | 8時間 | 4〜8回分 |
| ステージ2 | 24時間 | 8〜16回分 |
| ステージ3 | 48時間 | 20回分以上 |

トイレは1日8〜12回が現実的。100回分で2,500円程度。防臭袋(BOSなど)をセットで備えると安心です
燃料(カセットボンベ)
カセットコンロとボンベは、電力に頼らない加熱手段として最重要の備えです。
タフまるのような屋外対応モデルは風雨の中でも扱いやすく設計されています。
目安は1人1日1〜2本。3日分で6〜12本、1週間分なら14〜28本です。
カセットボンベは、ガソリンや灯油と異なり、消防法上の危険物指定数量の対象外で、家庭での保管制限がありません。扱いやすさの点でも、家庭備蓄の主力として適しています。
2. ステージ1:最大8時間 ― “慌てない” 5点セット
停電初夜の暗闇と情報の遮断が、不安の本体です。この5点でその不安を取り除きます。
2-1. モバイルバッテリー
スマホの充電確保は、情報収集・家族との連絡・緊急通報のすべてに関わります。
- 10,000mAh:コンパクトで日常から使える。最新の大型スマホを約1.3回充電
- 30,000mAh以上:家族複数人のスマホを2〜3日分確保できる安心感がある
リン酸鉄・半固体タイプは発火リスクが低く、サイクル寿命も長め。
使い終わった後の回収サービスがあるメーカーを選ぶと処分時も安心です。
2-2. LEDランタン・ヘッドライト

停電初日の闇は、精神を想像以上に消耗させます。
東日本大震災のとき、あの暗さは今まで感じたことのないレベルでした。
特に子どものいる家庭では、1人1台あると全く違います。
ヘッドライト・ネックライトは両手が空くので、作業・移動・子どもの世話に向いています。
固定用ランタンと1人1台のヘッドライトの組み合わせが理想的です。
我が家でも10年ほど使っています。ずっと野外(屋根あり)に置いてあるのに故障しない脅威の耐久性。
▶︎ パナソニックの電池防災グッズ『もしもの備え』特設ページ(アマゾン内)
信頼のパナソニックが災害時に役立つページを開設しています。
2-3. 携帯ラジオ
テレビやネットが使えなくなったとき、ラジオは最後の公共情報源になります。
USB-C充電式なら手回し不要で手軽です。

手回しラジオだと電源が不要ですが、被災時にくるくる回す気にはならないと思います。
2-4. カセットコンロ
調理・加熱はガスが信頼性において優位です。
ステージ1から必ず備えておきたいアイテムです。
2-5. コンパクトなポータブル電源
スマホ・ラジオの充電に加え、扇風機や電気毛布といった小型家電も動かせます。
250〜300Wh前後のモデルはリュックに入る大きさで、避難時にも持ち運べます。
コンパクトポータブル電源の比較
| 製品名 | 容量 | 出力 拡張出力 | 実売価格 | 重量 | 電気ケトル 500W | ホットクック 350W | LEDライト |
| Jackery 240 New | 256Wh | 300W なし | 26,240円 | 3.6kg | |||
| BLUETTI AORA 30 V2 | 288Wh | 600W 1500W | 19,900円 | 4.3kg | |||
| Pecron E300LFP | 288Wh | 600W なし | 21,900円 | 4.8kg | |||
| EcoFlow RIVER 3 Plus | 290Wh | 600W 900W | 29,900円 | 4.7kg |

これでイメージ! 「300Whのポタ電なら 30,000mAh のモバイルバッテリー 3台分」
3. ステージ2:24時間 ― “在宅避難” を形にする
停電が24時間続くと、まず気になるのが「冷蔵庫の中身」と「温かい食事」。
そこで、2,000Wh級のポータブル電源と300〜400Wソーラーパネルを組み合わせ、自宅で電力を循環させましょう。
3-1. ポータブル電源(2kWh)+ ソーラーパネル

冷蔵庫60W × 24時間 ≒ 約1,440Wh。
2,000Whクラスのポタ電と200〜400Wのソーラーパネルを組み合わせると、晴天5時間で約50%を回収できます。
晴れてさえいれば、ソーラーパネルとポータブル電源で冷蔵庫を維持できます。
中容量ポータブル電源の比較
| 製品名 | 容量 | AC出力 / 拡張出力 | 重量 |
| BLUETTI AORA 200(350Wパネル) | 2,073Wh | 2,200W / 3,300W | 24.2kg |
| Jackery 2000 New(200Wパネル) | 2,042Wh | 2,200W / なし | 17.9kg |
| Dabbsson 2000L(210Wパネル) | 2,048Wh | 2,200W / 3,300W | 18.6kg |

我が家は、ポータブル電源とソーラーパネルの電力だけで冷蔵庫を使ってます!
3-2. 調理家電(電気)は省電力タイプを
カセットコンロが主役とはいえ、省電力の電気調理器具を合わせると選択肢が広がります。
- ホットクック(最大350W):多くのポタ電で動き、炊飯・煮込みがこれ1台で可能
- 低出力電気ケトル(600W以下):意外とティファールなどと沸騰時間が変わらない
3-3. パッククッキング(水が貴重な状況での調理技術)

農林水産省が推奨するパッククッキング(ポリ袋調理)は、最小限の水で栄養を取るための技術です4。
ガスや電気が制限された状況でも実用できます。
耐熱性ポリ袋(耐熱温度130℃以上のHDPE製)に食材を入れ、空気を抜いて密閉します。
そのままお湯の中で加熱する方法です。
- 調理に使った水は汚れないため、手洗いや他の用途に再利用できる
- 袋ごと食器に盛り付ければ、洗い物がほぼ不要
- 複数のメニューを同じ鍋で同時調理できる
- 白米の場合:袋に米1合+水1.2カップを入れ、30分加熱・5分蒸らしで完成
断水・節水が求められる状況で、実用性が高い技術です。覚えておいて損はありません。
4. ステージ3:48時間 ― “つくって貯める” 体制へ
48時間を超えると、「発電と蓄電の強化」が焦点になります。
4-1. 3kWh級ポータブル電源+600W以上のソーラーパネル

晴天なら1日1.5〜2kWhを発電できます。
冷蔵庫の維持に加え、扇風機・電気毛布・テレビも長時間使えるようになります。
| 製品名 | 容量 | 拡張性 | 重量 |
| BLUETTI Apex 300(350Wパネル) | 2,764Wh | あり(最大約19kWh) | 38kg |
| Jackery 3000 New(200Wパネル) | 3,072Wh | なし | 27kg |
4-2. 浄水器
水の備蓄が尽きた場合の最終手段として。
Sawyer Miniは汚れた水源にも対応できます。
ただしあくまで補助手段で、まず水の備蓄を優先してください。
4-3. 寝袋+エアマット
暖房が使えない停電時、特に冬場において自分の体温を逃さない寝袋は最強の寝具です。
さらに、床からの冷えを防ぎ、硬い床でも体を痛めないために「エアーマット(クローズドセルフォームパッド)」もセットで用意しましょう。
浸水で布団が使えなくなったり、車中泊を余儀なくされたりした場合でも、この2つがあれば最低限の睡眠環境を確保できます。
東日本大震災で自宅が半壊し、車中泊を余儀なくされた時、私を支えてくれたのがこの寝袋です。
完全にフラットにならない車のシートの上でも、この寝袋のおかげで快適な寝心地を確保できました。
驚くべきはその耐久性です。震災時も含め10年以上ハードに使っていますが、今でも全くほつれません。
もちろん、汚れたら自宅で丸洗いも可能です。
十分な厚みがあるので、冬はこれ一つで暖かく、春や秋など暖かい季節にはジッパーを広げて敷布団がわりに使うこともできます。平時も有事も頼りになる、最高の相棒です。
学生時代は探検部にいましたが、こちらのマットが定番でした。パンクもしませんし、とにかく頑丈。
いろいろ中華の安物もありますが、サーマレストはなんか良い。
何が違うんでしょうか?サーマレストとNEMOを使い分けてます。
5. 計画停電と節電への備え
資源エネルギー庁によれば、広域予備率が1%を下回る見通しになった場合、緊急速報メールで「計画停電実施の可能性」が配信されます5。
実需給の約2時間前に、具体的な実施時間が発表される仕組みです。
計画停電は事前通知があるとはいえ、数時間前の準備では間に合わないことがほとんどです。
計画停電への対応チェックリスト
- スマホの充電を常に60%以上維持する習慣をつける
- 各電力会社のウェブサイトでエリアごとの実施情報を確認する
- 停電の予定時間を家族で共有しておく
- モバイルバッテリーまたはポタ電を充電済みにしておく
- 停電時間帯に合わせた食事の準備(加熱不要の食材を用意)
夏の計画停電と暑さに弱い方・動物への配慮
夏の昼間の停電は、乳幼児・高齢者・ペットにとって深刻なリスクになります。
室内の温度上昇は、体温調節の難しい存在には特に危険です。
電力を確保できない場合は、「どこに避難するか」を事前に決めておくことが大切です。
冷房の動いている公共施設・ショッピングモール・親族の家など、複数の選択肢を持っておいてください。
ペットがいる家庭の電力備えについては以下の記事を参考にしてみてください。
Link
関連記事
停電時ペットを守るポータブル電源の選び方(サイト内ページへ)
6. 燃料備蓄の注意点:消防法と「満タン運動」
自動車の燃料は「満タン&灯油プラス1缶」
石油連盟は「満タン&灯油プラス1缶運動」を推進しています6。
燃料メーターが半分程度になったら満タンにし、暖房用灯油を常に1缶(18L)余分に持つ。
そういった習慣の定着を推奨するものです。
東日本大震災のとき、給油スタンドへの殺到が物流や救急活動を妨げました。
満タンを維持しておくだけで、緊急時に自動車を情報収集・充電・シェルターとして使えます。
家庭でのガソリン備蓄には法的制限がある
ガソリンは揮発性が高く、消防法上の危険物(第4類第1石油類)に指定されています。
少量危険物の制限はガソリン40リットル以上から始まります。
それ以上の保管には、不燃材料の壁・換気設備等の設置が義務付けられます。
家庭での安全な燃料確保は、自動車のタンク内を満タンに保つことが最も現実的です。
ガソリン携行缶での備蓄は、法的制限と保管上の安全確保をよく確認した上で検討してください。
カセットボンベはこの規制の対象外で、家庭での保管制限がありません。調理熱源としての優位性はここにもあります。
よくある質問
Q買いだめはしてもよいか
政府は「冷静な購買行動」を求めています。内閣官房国民保護ポータルサイトでは、必要以上の買いだめ(パニック・バイイング)を慎み、公的な流通計画に協力することを国民行動指針として示しています7。現在の備蓄を着実に整えながら、他者の購入機会を奪わないことを両立しましょう。
Q冷蔵庫を停電から守るコツは?
ドアの開閉を最小限にすること。内部に保冷剤を入れておくとさらに有効です。2,000Whクラスのポタ電があれば、消費電力100Wの冷蔵庫を約20時間維持できます。
Q備蓄品はどこに保管すればよいか
分散収納が基本です。玄関・台所・寝室に少しずつ置くことで、いずれかの場所が使えなくなったときのリスクを下げられます。
まとめ:「ダメージの最大値を下げる」という考え方

完璧な備えは難しいかもしれません。しかし備えとは「リスクの最大値を下げること」です。
- ステージ1を揃えれば、暗闇とスマホ切れの恐怖はなくなります
- ステージ2で、水・食・電力を自宅で回せるようになります
- ステージ3で、発電を強化し、より長い自立生活に備えられます
農林水産省が推奨する「最低3日・理想1週間」を目標にしながら、まず1ステップから始めてみてください。
自分に合ったポータブル電源を選ぶなら → 32製品を防災シナリオ別にスコア診断するツール
基本備蓄リスト(一覧)
飲料水
- 長期保存水(5〜7年)2L×必要量
- 普段飲みの水とローリングストック運用
非常食
- フリーズドライご飯(お湯・水で戻せるタイプ)
- 魚・肉・豆類の缶詰(タンパク質確保)
- レトルト食品(カレー・牛丼等)
- えいようかん・カロリーメイト(開封即食)
- オートミール・カップ麺(調理エネルギー節約型)
- 野菜ジュース・乾物(ビタミン・ミネラル補給)
衛生用品
- 簡易トイレ(1人あたり48時間で20回分以上)
- 防臭袋(BOS等)
- 凝固剤(水不要・長期保存可能)
- 耐熱ポリ袋(パッククッキング用、耐熱130℃以上のHDPE製)
燃料・調理器具
- カセットコンロ(屋外対応モデル推奨)
- カセットボンベ(3日分:1人あたり6〜12本)
