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ポータブル電源の市場拡大 | Jackery Solar Generator基準とは? | 世界と日本の安全基準 | 結論
安全性への懸念が高まるポータブル電源。Jackery(ジャクリ)は、世界基準に匹敵する独自の基準で品質保証を徹底。法整備が追いつかない日本市場に、安全性確保への新たな指針を示す画期的な取り組み。業界を牽引する企業の高い安全性への意識が、市場全体の底上げに貢献する。


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ポータブル電源の広がりと、それに伴う心配事
ここ数年、コンセントがない場所でも電気を使えるポータブル電源の人気が高まっています。市場はどんどん大きくなっていて、「2024年から2032年までの8年間で、毎年平均8.38%ずつ成長する1」と言われています。
世界全体で見ると、2032年には市場規模が11億4864万ドル(日本円で約1723億円 *1ドル150円で計算)にもなると予想されています。日本でも、ポータブル電源の市場は、ここ数年で成長傾向にあると言えるでしょう。
ポータブル電源認知拡大の要因は?
ポータブル電源が人気を集めている理由は、さまざまです。たとえば、庭やベランダでのちょっとした電気製品の使用、もしもの時の備え、そして、自宅で仕事をする人が増えたことなどが挙げられます。
Jackery社の広報担当者は「当社が実施した3万人を対象に行った調査では、ポータブル電源の認知度は約76%と高まってきています」という。2
しかし、市場が急に大きくなったことで、新しくこの分野に参入する会社が増え、製品の品質に差が出てきていることが心配されています。
ポータブル電源とPSEマーク
特に日本では、ポータブル電源は、「電気製品の安全性を確保するための法律(電気用品安全法)の対象になっていない3」ため、安全性への不安の声が上がっています。
実際に、製品の安全性を評価する機関「製品評価技術基盤機構(NITE)4」には、ポータブル電源が原因の火事の報告が増えているそうです。
以下、パワーバンクスが作成した「ポータブル電源事故情報集計データ表」になります。

そんな中、ポータブル電源で世界的に有名なJackeryが、業界で初めてとなる、製品の安全性を確保するための新しい基準「Jackery Solar Generator基準5」を発表しました。
この記事では、この新しい基準の内容、世界の安全基準との比較、そして、日本のポータブル電源市場と私たち消費者にどのような影響があるのかを、わかりやすく説明します。
Jackery Solar Generator基準ってどんなもの?
「Jackery Solar Generator基準」は、Jackeryが作る、太陽光で充電できる電源(Solar Generator)について、材料の調達から製品の性能、安全性、品質まで、さまざまな項目について定めたものです。この基準によって、世界中のお客様が、安心して製品を選べるようになることを目指しています。
製品の品質を高めるための取り組み
Jackeryは、製品の品質を高めるために、さまざまな工夫をしています。
- 電子機器の製造に関する国際規格で、最も厳しい基準をクリア:Jackeryは、電子機器の製造品質に関する国際規格「IPC-A-6106」の中でも、最も厳しいClass 3の認証を、ポータブル電源メーカーとして初めて取得しました。
- 自社の工場と検査施設で、しっかりと品質をチェック:Jackeryは、自社の工場と検査施設で、徹底的に品質を管理しています。
- 製造のすべての段階で、品質を確認:製品の設計から製造、出荷まで、すべての段階で厳しくチェックを行い、製品の信頼性を高めています。
いろいろな環境でのテスト

Jackeryは、製品が長く、そして安全に使えるように、さまざまな環境を想定したテストを行っています。
- ポータブル電源
- 衝撃テスト:製品に衝撃を与えて、きちんと動くか確認します。
- 落下テスト:いろいろな高さから製品を落として、壊れたり、動かなくなったりしないか確認します。
- 高温・低温テスト:暑い場所や寒い場所で製品を動かして、性能が変わらないか確認します。
- 耐久性テスト:長く使った場合を想定して、製品がどれくらい劣化するかを評価します。
- ソーラーパネル:
- 防塵テスト:ほこりが多い場所で製品を動かして、性能が変わらないか確認します。
- 防水テスト:製品に水をかけて、中に水が入らないか確認します。
- 塩水噴霧テスト:海の近くなど、塩分を含んだ水がかかる場所を想定して、製品が錆びたり、性能が落ちたりしないか確認します。
世界と日本の安全基準はどうなっているの?
ポータブル電源の安全基準は、国によって違います。
- アメリカ:認証機関が、製品の安全性を自主的に認証しています。認証は、「UL27437」という規格に基づいて行われています。
- ヨーロッパ:電気製品の安全に関する指令(低電圧指令・EMC指令)があり、EN 62368-18などの規格が使われています。事故が起きた場合に、製品を改善する仕組みもあります。
- 中国:2023年8月から新しい規制が始まり、GB 4943.1-2022という規格(IEC 62368-1と同じようなもの)が使われています。重さ18kg以下、容量600mAh以上の製品が対象です。
- 日本
- 今のところ、ポータブル電源は電気用品安全法の対象外で、ACアダプターだけが対象です。
- しかし、最近、事故の報告が増えていることから、経済産業省が中心となって、安全性を確保するための基準作りが進められています。
- 2023年には、国と民間企業が協力して検討会を開き、「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)9」が作られました。
- この安全性要求事項は、製品の安全性を認証する「Sマーク認証10」の基準に追加され、JIS C 62368-1という規格と合わせて、この基準を満たすことが必要になりました。
- さらに、2025年2月には、ポータブル電源の安全性を高め、業界の発展を目指す団体「日本ポータブル電源協会(JPPSA)11」が設立されました。
- JPPSAは、製品の安全性を高めたり、消費者に情報を提供したり、業界の連携を強めたりすることを目的としています。
- 正会員として、アンカー・ジャパン株式会社、EcoFlow Technology Japan株式会社、エレコム株式会社、株式会社JVCケンウッド、株式会社Jackery Japan、BLUETTI JAPAN株式会社が、賛助会員として、株式会社ポスタリテイトが参加しています12。
日本の安全基準は、国際的な基準と比較すると、まだ整備途上にあると言えます。しかし、経済産業省やJPPSAの活動によって、安全性を高めるための取り組みが、これからもっと進んでいくでしょう。
詳しくは「ポータブル電源の安全性に関する技術基準と業界の取り組み」をご覧ください。
Jackeryの新基準と日本の状況を比べてみると?
Jackeryが発表した「Jackery Solar Generator基準」は、世界の安全基準、特に厳しいとされるUL規格と同じくらい、あるいはそれ以上のレベルの基準だと考えられます。
一方、日本では、法律の整備がまだ十分ではなく、業界団体であるJPPSAが自主的に取り組みを進めているところです。
Jackeryの新基準は、日本のポータブル電源市場で、安全性を高めるための重要な目安となるでしょう。そして、JPPSAの活動や、これから作られるであろう日本の法律にも、良い影響を与える可能性があります。
Jackeryには、業界をリードする会社として、製品の安全性と信頼性を高め、日本のポータブル電源市場全体の発展に貢献することが期待されます。
私たち消費者への影響は?
Jackeryの新基準の発表は、ポータブル電源市場に大きな変化をもたらし、私たち消費者に、次のようなメリットがあります。
- 製品選びの参考にできる:Jackeryの新基準やSマーク認証などを参考に、より安全で信頼できる製品を選べるようになります。
- 品質が一定レベル以上になることで、市場が健全になる:業界全体で品質の基準が上がり、良くない製品が減ることで、市場が健全になります。
- 安全性が高まり、消費者が保護される:製品の安全性が高まることで、火事などの事故のリスクが減り、消費者はより安心してポータブル電源を使えるようになります。
- 持続可能なエネルギー利用を後押し:安全で信頼できるポータブル電源が広まることは、太陽光などの再生可能エネルギーの利用を増やすことにもつながります。
これからどうなる?
Jackeryの新基準の発表をきっかけに、ポータブル電源業界全体で、品質を高める動きが活発になることが期待されます。
日本の経済産業省がまとめた「ポータブル電源の安全性要求事項13」や、JPPSAの活動と合わせて、製品の安全性と信頼性は、これから大きく向上していくでしょう。
私たち消費者にとっては、より安心して製品を選べるようになり、ポータブル電源がもっと身近なものになると考えられます。メーカー各社も、この基準を参考に、自社製品の品質を高めることで、市場全体の発展につながるでしょう。
まとめ

Jackeryが発表した「Jackery Solar Generator基準」は、ポータブル電源業界にとって、とても大きな一歩であり、日本の消費者にも大きなメリットをもたらします。
この新しい基準は、製品の安全性と信頼性を高めるだけでなく、業界全体の品質向上を促し、市場の健全な発展を後押しします。
消費者は、Jackeryの新基準やSマーク認証などを参考に、より安全で信頼できる製品を選び、ポータブル電源を正しく使うことが大切です。
脚注
- Portable Power Station Market Source(Fortune Business insights) ↩︎
- 防災ニーズが増加中、メーカーにポータブル電源の今を聞く(BCN+R) ↩︎
- 対象非対象解釈例一覧:電気用品安全法 ↩︎
- 製品評価技術基盤機構(NITE) ↩︎
- Jackery Solar Generator 基準の詳細 ↩︎
- IPCとは グローバルで電子機器業界、プリント基板設計・製造、電子機器製造企業が採用するIPC標準規格 ↩︎
- UL2743規格は、ポータブル電源の安全性を保証する重要な国際規格 ↩︎
- 【今さら聞けない】安全規格IEC62368とは? ↩︎
- 「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」とは何ですか? ↩︎
- S-JQAマーク認証「ポータブル電源に係るSマーク追加基準」制定のお知らせ ↩︎
- 一般社団法人日本ポータブル電源協会 設立のお知らせ ↩︎
- ポータブル電源の安全基準策定と普及を目指す「一般社団法人日本ポータブル電源協会(JPPSA)」設立 ↩︎
- ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)について ↩︎
