急成長するポータブル電源市場の安全性を確保するため、「一般社団法人日本ポータブル電源協会(JPPSA)」が設立された。これまで規制対象外だった製品に、安全性要求事項に基づく業界基準を設け、Sマーク認証と連携。消費者への注意喚起も行い、事故防止を図る。

ポータブル電源の安全性と業界の健全な発展を目指す「一般社団法人日本ポータブル電源協会(JPPSA)」設立のニュースが、2025年2月12日に発表されました。
このニュースは、ポータブル電源の利用が急増する一方で、安全性への懸念が高まっている今、私たち消費者にとって非常に重要な意味を持ちます。
「一般社団法人日本ポータブル電源協会(JPPSA)」設立の背景
近年、アウトドアレジャーの人気に加え、災害時の備えとして、ポータブル電源の需要が急増しています。
しかし、市場の急速な拡大に伴い、製品の安全性に関する懸念も高まっており、実際にポータブル電源火災などの事故も報告されています。
これまで、ポータブル電源は電気用品安全法(PSE法)の規制対象外1であり、製品固有の安全基準が存在しませんでした。
このような状況を受け、経済産業省は「ポータブル電源の安全対策に関する検討会」を設置。製造・輸入事業者等が主体となり、ポータブル電源のリスクシナリオから必要なリスク低減策を検討し、「安全性要求事項(中間とりまとめ)2」を作成しました。この中間とりまとめは、Sマーク認証の追加基準として採用されています。
JPPSAは、この「安全性要求事項(中間とりまとめ)」に基づき、業界全体で遵守すべき安全基準を策定・普及させ、消費者が安心してポータブル電源を利用できる環境を整備することを目指します。
JPPSA設立に繋がる流れは「ポータブル電源の安全性に関する技術基準と業界の取り組み」に掲載しております。
JPPSAの主な活動内容
| 名称 | 一般社団法人日本ポータブル電源協会 |
| 法人番号 | 5010005039210 |
| 住所 | 〒101-0034 東京都千代田区神田東紺屋町28番地 |
| 登記日 | 2024年12月03日 |
- 業界基準の策定・普及
- 経済産業省の「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」を基に、より詳細な業界基準を策定。
- 過充電保護、端子の標準化、火災からの保護など、具体的な安全対策を徹底。
- Sマーク認証制度との連携を強化し、基準適合製品の普及を推進。
- 消費者への情報提供
- ポータブル電源の正しい選び方、使い方、保管方法、廃棄方法などを分かりやすく解説。
- 水濡れによる感電や爆発の危険性など、事故防止のための注意喚起を実施。
- 製品の安全性に関する情報公開を推進し、消費者の製品選択をサポート。
- 業界連携の強化
- 製造業者、販売業者、検査機関など、関係者間の連携を促進。
- 会員企業間の情報共有、技術交流を通じて、製品の品質向上を支援。
- 行政機関との連携を強化し、法規制の整備に向けた提言活動を実施。
JPPSA正会員
- アンカー・ジャパン株式会社3
- 株式会社Jackery Japan4
- BLUETTI JAPAN 株式会社5
- EcoFlow Technology Japan 株式会社6
- エレコム株式会社7
- 株式会社JVCケンウッド8
賛助会員
株式会社ポスタリテイト
※2025年1月現在
今後の展望
JPPSAは、ポータブル電源の安全基準を業界全体に普及させ、消費者の安全意識向上に努めます。また、国際的な規格との整合性を図り、将来的には法規制の整備も視野に入れています。
なぜ今、業界団体が必要なのか?
アウトドアブームや災害対策意識の高まりを背景に、ポータブル電源市場は急成長を遂げています。しかし、その一方で、製品の品質や安全性に関する問題も浮上し、火災などの事故も報告されており、消費者からは不安の声が上がっていました。
ポータブル電源の廃棄問題に対応する団体として「一般社団法人 ポータブル蓄電池リサイクル協会9」は存在しましたが、製品の安全性や品質基準、消費者への情報提供などを包括的に扱う業界団体はありませんでした。そのため、一般社団法人日本ポータブル電源協会(JPPSA)の設立は、まさに満を持しての登場と言えるでしょう。
JPPSA設立で何が変わる?
JPPSAは、経済産業省がまとめた「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」を基に、業界全体で守るべき安全基準を策定・普及させることを目指しています。
具体的には、
- 過充電保護、端子の標準化など、製品の安全設計に関する基準
- 水濡れ、高温下での使用など、事故を防ぐための注意喚起
- Sマーク認証制度との連携による、安全な製品の普及
といった活動を通じて、ポータブル電源の安全性を高めていくとしています。
消費者が注目すべきポイント
JPPSAの設立は、私たち消費者にとって、より安全なポータブル電源を選びやすくなるというメリットがあります。今後は、JPPSAの定める基準を満たした製品かどうか、Sマーク認証10の有無などを、製品選びの判断材料の一つにすると良いでしょう。
ただし、基準ができたからといって、すべての製品が安全になるわけではありません。消費者自身も、
- 取扱説明書をよく読み、正しい使い方を守る
- 水濡れや高温多湿な場所での使用・保管を避ける
- 異常を感じたらすぐに使用を中止する
など、基本的な安全対策を心がけることが重要です。
今後の業界動向に注目
JPPSAの設立は、ポータブル電源業界にとって大きな転換点となる可能性があります。しかし、
- 基準の策定・普及には時間がかかる
- すべてのメーカーがJPPSAに参加するとは限らない
- 将来的には法規制の強化も検討される可能性がある
など、今後の課題も残されています。
私たち消費者としては、JPPSAの活動や業界全体の動向を注視し、常に最新の情報を入手することが大切です。
脚注
- 対象非対象解釈例一覧:電気用品安全法 ↩︎
- ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ) ↩︎
- ポータブル電源の安全性能確保に向けた取り組みについて(Anker) ↩︎
- 「一般社団法人日本ポータブル電源協会」にJackeryが設立メンバーとして参画(Jackery) ↩︎
- ポータブル電源の安全性能確保に向けた取り組みについて(BLUETTI) ↩︎
- ポータブル電源の安全性能確保に向けた取り組みについて(EcoFlow) ↩︎
- エレコムが一般社団法人日本ポータブル電源協会に加入(エレコム)) ↩︎
- ポータブル電源の安全性能確保に向けた取り組みについて(JVCケンウッド) ↩︎
- 一般社団法人 ポータブル蓄電池リサイクル協会 ↩︎
- Sマーク認証とは? ↩︎