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- 昼のソーラー充電で蓄電可能:45Wパネルでも晴天下なら冷蔵庫を動かしつつバッテリーを回復できる
- 平均30–35Wh/hの省エネ冷却:EENOUR D10はDC×間欠運転で小容量バッテリーでも長時間稼働
- 最小構成で1泊ドライブOK:230Wh+45Wセットが“冷蔵庫+スマホ充電”を無理なく賄う実践例
ポータブル電源を使う際、誰もが気になるのが「少しでもバッテリーの消費を抑えられないか?」という点。
特にポータブル冷蔵庫のように長時間稼働する機器は、思った以上に電力を使うため、ソーラーパネルによる電力補助がどこまで役立つのかは多くの人にとって関心の高いテーマです。
今回は、EcoFlow RIVER 3という小型ポータブル電源に、出力45WのEcoFlow純正ソーラーパネル、そして10Lのポータブル冷蔵庫EENOUR D10を組み合わせ、太陽光だけでどこまで冷却できるのかを実地検証しました。
結果として、日中はバッテリーを減らすことなく冷蔵庫を運転し、さらには冷却しながら蓄電も可能な時間帯があったという、非常に現実的かつ有益な結果が得られました。
これからポータブル電源デビューする方にも参考になるよう、運用構成・数値・注意点を詳しく解説します。
どんな質問でも大歓迎ですので、お気軽にコメント欄から話しかけてくださいね!

音声で聞く:【検証】ソーラーパネルで冷蔵庫は動くのか?RIVER 3+D10+45Wで“バッテリー減らさず運転”に挑戦!
「この記事、ちょっと長いな…」という方へ。
記事のポイントを音声でまとめました!ラジオ風にわかりやすく解説します。
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H2:今回の検証セットアップ
最小構成(EcoFlow RIVER 3+EENOUR D10+EcoFlow 45Wソーラーパネル)で現実的なソーラー運用を実地検証

今回の検証では、できるだけコンパクトかつ実用的な構成にこだわりました。
ポータブル電源には、「EcoFlow RIVER 3(230Wh)(実機レビューを見る)」を使用。理論上はiPhone 16 Pro Maxを約10〜11回フル充電できる容量があり、ドライブやPC用UPSなどにも十分対応できます。
冷蔵庫は、10Lの小型モデル「EENOUR D10(実機レビューを見る)」。シガーソケットで接続することで変換ロスを抑え、エネルギー効率を最大化しています。
ソーラーパネルは「EcoFlow 45Wソーラーパネル(スペックページを見る)」。N型TOPCon単結晶シリコンセル1を採用しており、高温環境でも発電効率が落ちにくいのが特長です。
天候は快晴。春らしい日差しと太陽の高い角度に恵まれ、発電テストには理想的な条件でした。
冷蔵庫の設定温度は−5℃。家庭用冷蔵庫よりもかなり低めの設定ですが、車中泊やアウトドアで生鮮食材や飲み物を安心して冷やす用途を想定しています。
計測は12:00〜14:30の間で行い、発電量と消費電力の推移はEcoFlowアプリでリアルタイムに記録しました。
使用機材(公式ストア・購入ページ)
検証環境
- 天候:快晴(気温:25℃ 日差しが強い5月の日中)
- 設置場所:日向に停車している車内(エアコン不使用)
- 冷蔵庫の設定温度:-5℃
- 計測時間帯:12:00〜14:30頃
結果:45Wパネルでも「発電≧消費」を実現
晴天下のピーク時間に冷蔵庫を動かしながら20%のバッテリー充電に成功
図:ポータブル冷蔵庫検証結果のグラフ

ポイントは “昼の2.5時間で+20 %蓄電”。
小型45 Wソーラーパネルでも、条件がそろえば冷蔵庫を動かしつつバッテリー残量を増やせました。
検証のタイムスタンプ
- 12:00(ピーク発電)
入力 38 W / 出力 38 W ➜ バッテリー維持
- 12:00〜14:30(2.5 h)
晴天が続き、発電量が平均で消費をわずかに上回る。残量 50 % → 70 %(+20 %) まで回復
- 14:30 以降
日差しが弱まりソーラー出力低下。ここからはポータブル電源単体での運用フェーズへ
- 0:30(夜中)
バッテリー残量5%になり検証終了
冷蔵庫は設定温度(−5℃)に達すると自動でコンプレッサーが停止する間欠運転のため、平均消費は約28〜35Wに抑えられます。
この省エネ特性と昼の発電ピークが重なることで、「バッテリーを減らさずに冷却+蓄電」という好循環が成立しました。
14:30からはバッテリー単体での運用に切り替え、どこまで冷蔵庫が動くかを記録しました。
時刻 | 残量 |
16:30 | 63% |
17:30 | 50% |
19:30 | 35% |
20:30 | 25% |
22:30 | 18% |
23:30 | 12% |
0:30 | 5%(終了) |
約10時間にわたりポータブル冷蔵庫を稼働させることができ、EcoFlow RIVER 3(230Wh)のバッテリー容量でも1泊の保冷用途には十分なことが実証できました。
今回の検証では、午後からの発電スタート&夜間も−5℃設定のまま運用しました。朝からソーラー充電を開始して100%までバッテリーを蓄電、夜間は設定温度を3℃程度に切り替える運用にしていれば、朝までしっかり持たせることも十分可能だったはずです。
H2:EENOUR D10の消費電力は?
平均消費28〜30Wh/hと省エネ設計、間欠運転で長時間稼働が可能

EENOUR D10は、車載・アウトドア用としてはコンパクトな10Lクラスの縦型ポータブル冷蔵庫です。
その消費電力は想像以上に低く抑えられていました。EcoFlow RIVER 3を満充電にしてD10だけを接続した状態で連続使用したところ、約8時間稼働。
RIVER 3の容量は230Whなので、単純計算で1時間あたり約28Wh程度の消費となります。これは間欠運転(冷蔵庫内部の温度が設定値まで下がると自動停止する制御)を含めた平均値です。
また、D10はDC接続で運用できるため、インバーターによる変換ロスがほぼ発生しません。コンセントでの給電に比べてロスが少なく、限られた電力を効率的に使える点が大きなメリットです。
EENOUR D10 10Lにこれくらい入りますよ!↓ 500mlペットボトルだと8本くらい。物足りない方は一回り大きい「EENOUR 車載冷蔵庫 D18」もあります。

H2:EcoFlow 45Wソーラーパネルの実力と限界
ピークで40W出力、N型セルで高温下も安定発電。日照条件が鍵に

一見すると非力に思える45Wのソーラーパネルですが、今回のようにDC冷蔵庫との組み合わせであれば十分に実用レベルであることが分かりました。
特に正午前後の晴天時には、最大40Wの発電量を確認。これは理論値にかなり近い実効値で、性能の高さを感じさせる結果です。

太陽の角度や天候によって発電量は大きく変動します。午後になると太陽が傾き始め、入力は29W前後に低下。1日の中でどの程度の時間フル発電が得られるかが、運用計画に大きく影響します。
N型セルを採用しており、一般的なP型セルと比べて高温下でも発電効率が落ちにくいという特長があります。春や夏のキャンプなどでは、この温度特性が地味に効いてきます。
昼間に十分な発電が得られれば、冷蔵庫を稼働させながらバッテリーの充電も同時に進められるため、夜間の運転にも備えられる。この点が、45Wクラスでも安心して使える理由のひとつです。
【3パターン】使い方別・おすすめ構成ガイド
用途や日数に応じて“ちょうどいい構成”を選べる実用ガイド
今回のような“最小構成”でも十分運用が可能だったことから、みなさんの利用目的やスタイルに応じたおすすめ構成を整理してみました。
【1泊ミニマム構成】小型ポータブル電源プラス小型ソーラー充電器
- 日帰りドライブや1泊の車中泊で「とにかく荷物を軽くしたい」人に最適
- 快晴が前提だが、冷蔵庫の使用を最小限にすれば電力のやりくりは十分可能
- 軽量・省スペースで組めるのが最大の魅力
例:EcoFlow RIVER 3 (230) + 45Wソーラーパネル | Jackery Solar Generator 240 New 40 Mini
【2泊以上や曇天対策】容量1000Wh以上+100W〜200Wパネル
- 天気が不安定な日や、2泊以上の長旅を想定している人に
- 消費に対する発電の余裕を確保し、さらに夜間の運用も安定
- 100Wパネルを2枚並列接続するなど、充電効率を高める工夫が有効
例:Jackery Solar Generator 1000 New 100W | EcoFlow DELTA 2&安価な100Wソーラーパネル
【家電も併用したい】1500W以上&十分な容量確保2,000Wh以上
- ポータブル冷蔵庫に加えて、電気ケトルや調理器具を使いたい場合に
- 家庭用家電は600W〜1500Wと高出力なため、出力容量に注意が必要
- 2000Whクラスのモデルであれば、3日分の電力確保も視野に入る
例:Jackery ポータブル電源 3000 New セット | BLUETTI Elite 200 V2 + 200Wソーラーパネル
バッテリー容量早見表
自分がどれくらいの期間、どれくらいの消費電力を使うかをイメージしながら、構成を考えるのが成功の鍵です。
おすすめ構成のサマリー表
利用シーン | バッテリー容量 | パネル出力 | 目安の耐久時間 |
1泊ミニマム構成 | 300Wh〜 | 45W〜 | 蓄電+夜間運用 |
曇天/2泊以上の長旅 | 1,000Wh以上 | 100–200W | 3日間以上耐えうる |
家電併用 | 2,000Wh以上 | 200W以上 | 電気ケトル使用可 |
各シーンに最適なモデルは「用途別ポータブル電源おすすめランキング」をご覧ください。実際に愛用している10製品以上を評価しています。
まとめ:昼は太陽、夜は蓄電。これが“ポータブル冷蔵庫”の最小構成!
- 日中はソーラーパネルで冷蔵庫を稼働+バッテリーも増加可能
- 夜間は昼間に貯めた電力で運用、晴れていれば“無限使用”に近づく
- 重要なのは、冷蔵庫の出力量とパネルの発電量のバランスをつかむこと

今回の検証では、EcoFlow RIVER 3 (230) + 45Wソーラーパネル、EENOUR D10という“最小構成”でも、日中は冷蔵庫を稼働させながらバッテリーを回復させることができ、夜間は設定温度や気温に応じた工夫で長時間の保冷が可能であることが分かりました。
日中はソーラーでバッテリー残量を増やしながら冷却し、夜間はその電力をもとに静かに冷蔵庫を維持。温度設定をシーンに応じて調整することで、実用的な運用が現実になります。
ソーラー運用に不安を感じている方も、まずは小さな構成で試してみることで、使い方のコツや自分に合った運用リズムが見えてきます。この記事がその第一歩になれば幸いです。
どんな質問でも大歓迎ですので、お気軽にコメント欄から話しかけてくださいね!
脚注
- N型ソーラーセルとは?:N型ソーラーセルは、N型半導体シリコンを基板に用いる太陽電池です。電子が主なキャリアで、P型より高効率、LID(光誘起劣化)に強く高耐久な点が特徴。TOPConやHJT等が代表的技術です。 ↩︎