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環境省と経済産業省は2026年3月10日、ポータブル電源を小型家電リサイクル法の対象品目に追加する方針を示した。

同日開催された合同会合で配布された資料によると、政令改正を通じて加熱式たばこデバイス、電子たばこデバイス、モバイルバッテリーとあわせた4品目が新たに対象となる見通しである。

本記事では、公開された一次資料をもとに制度変更の全容を整理する。

本記事の情報源と略称

産業構造審議会 小型家電リサイクルワーキンググループ(第3回)および中央環境審議会 小型家電リサイクル小委員会(第4回)の合同会合(令和8年3月10日開催)で配布された以下の公式資料に基づいている。本文中では【 】内の略称で参照する。

  • 【議事次第】:資料1 議事次第
  • 【個別論点】:資料3 小型家電リサイクル制度の個別論点について
  • 【報告書案】:資料4 小型家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)
  • 【今後の対応】:資料5 報告書(案)に基づく今後の対応について
  • 【前回資料】:参考資料1 小型家電リサイクル制度の評価・検討について(令和7年10月24日資料)
京寺美里(Kyodera miri)
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この記事の要約

ポータブル電源が「小型家電リサイクル法」の対象品目に追加される方針が示された。

ポータブル電源が「小型家電リサイクル法」の対象品目に追加される方針が示された。

現在ポータブル電源は同法の対象外であり、廃棄時の処理ルートが明確ではなかった。

対象品目に加わることで、市町村が回収した製品を小型家電リサイクルの認定事業者へ引き渡せるようになる。

背景には2つの事情がある。1つはリチウムイオン電池による発火事故の急増。もう1つは小型家電の回収量が目標に届いていない現状である。

なお、今回の方針はあくまで審議会での提案段階であり、正式な政令改正はこれからとなる。

具体的な回収方法や開始時期については、今後の動向を注視していく必要がある。

合同会合の概要

令和8年(2026年)3月10日、経済産業省と環境省の合同会合が開催された1

正式名称は「産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 小型家電リサイクルワーキンググループ(第3回)」および「中央環境審議会 循環型社会部会 小型家電リサイクル小委員会(第4回)」の合同会合である(【議事次第】)。

会場はTKP新橋カンファレンスセンター。議題は3つあり、小型家電リサイクル制度の個別論点、施行状況の評価・検討に関する報告書(案)、そして報告書に基づく今後の対応について議論が行われた。

この合同会合では、令和6年2月から続けてきた小型家電リサイクル制度の評価・検討の取りまとめが行われている。

論点は「国内資源循環の推進」「変化への対応と発展的要素」「制度の安定化・効率化」の3つの軸で整理された(【個別論点】p.2)。

対象品目に追加される4品目

ポータブル電源が「小型家電リサイクル法」の対象品目に追加される方針が示された。

新たに小型家電リサイクル法の対象品目への追加が検討されているのは、以下の4品目である(【個別論点】p.8、【今後の対応】p.1)。

  1. 加熱式たばこデバイス
  2. 電子たばこデバイス
  3. モバイルバッテリー
  4. ポータブル電源

なぜこの4品目なのか

小型家電リサイクル法の対象品目になるには、3つの要件を満たす必要がある。

「消費者が通常家庭で使用する電気機械器具」であること、「効率的な収集運搬が可能なもの」であること、そして「経済性の面における制約が著しくないもの」であることだ(小型家電リサイクル法第2条)。

4品目はいずれもこの要件を満たすと判断されている(【個別論点】p.8)。

現行の対象品目との関係

現行制度では28品目が対象となっている。

スマートフォン、パソコン、デジタルカメラ、電子レンジなどが含まれる(【個別論点】p.17-18)。

一方、ポータブル電源やモバイルバッテリーはこれまで対象外だった。

【報告書案】では、近年これらの製品の販売量増加に伴い廃棄量も増加していると指摘されている(【報告書案】p.11)。

ポータブル電源の安全基準の現状については、PSEマークと安全基準の記事で詳しく解説している。

小型扇風機やワイヤレスイヤホンは?

なお、昨今流通量が増加している小型扇風機、ワイヤレスイヤホン、PCサーバーについては、現行法の対象品目に該当するものと整理されている。

つまり、すでに対象であるため新たな追加は不要という判断である(【個別論点】p.8 ※2)。

品目追加の背景①:リチウムイオン電池の発火事故が急増

品目追加の背景①:リチウムイオン電池の発火事故が急増

品目追加の最大の背景は、リチウムイオン電池(LiB)を内蔵した製品による発火事故の急増にある。

認定事業者施設での発火件数

小型家電リサイクル協会のアンケート調査によると、認定事業者の施設における発火件数は以下のように推移している(【個別論点】p.15、【報告書案】p.9-10)。

年度発火件数
2020年度50件
2021年度60件
2022年度87件
2023年度181件
2024年度(令和6年度)312件

2020年度から2024年度のわずか4年間で約6倍に増加している。

2024年度の火災規模別発生件数の内訳を見ると、火花が発生したケースが2,050件、煙が発生したケースが1,871件、実際に出火して自力で消火したケースが304件、消防隊により消火されたケースが8件となっており、合計4,348件の発煙・発火事案が報告されている(【個別論点】p.15 表3)。

なぜ発火するのか

リチウム蓄電池は、破砕や圧縮など通常の使用では想定されない強い衝撃が加わると発火するおそれがある。

問題は、リチウム蓄電池を内蔵した製品が市町村の定める分別区分以外の区分に混入してしまうケースが多い点にある。

不燃ごみや粗大ごみに紛れ込んだ結果、ごみ収集や中間処理の過程で衝撃が加わり、発火・発煙する事例が多数報告されている(【報告書案】p.9-10)。

ポータブル電源における発火・爆発事故の詳細と対策については、別記事で一次情報をもとにまとめている。

品目追加による発火リスク低減の仕組み

ポータブル電源等を対象品目に追加することで、他の廃棄物への混入を防ぎ、不燃ごみ処理施設などでの発火リスクを低減する狙いがある。

具体的には、小型家電リサイクルルートで再資源化することで、廃棄時の他区分への混入リスクが下がる。

不燃ごみ処理施設やプラスチック中間処理施設等での発火事故の低減が期待できる(【個別論点】p.14)。

国の発火防止対策

国も対策に動いている。令和7年度補正予算で、民間の廃棄物処理施設向けに2種類の設備導入支援が予定された。

1つは、混入したリチウム蓄電池等をX線やAIで高精度に選別する設備。

もう1つは、発火を検知して施設の自動停止・散水・警報発報などと連動するシステムである。(【個別論点】p.15)。

国の施策に加え、ポータブル電源業界でも安全性向上への取り組みが進んでいる。技術基準の策定や業界団体の活動については別記事で解説している。

品目追加の背景②:回収量の目標未達

小型家電の回収量が目標に届いていない現状

もう1つの背景は、小型家電の回収量が目標に届いていない現状である。

回収量の推移

小型家電リサイクル法の基本方針では、回収量目標を年間14万トンと定めている。

しかし、実績は目標を大きく下回っている(【個別論点】p.5、【報告書案】p.6、【前回資料】p.5)。

年度回収量備考
平成25年度約2.4万トン制度開始初年度
令和2年度約10.2万トン過去最高(メダルプロジェクト等の効果)
令和5年度約8.6万トン目標との乖離:約5.4万トン
令和6年度約8.7万トン前年度比 約1%増

令和2年度をピークに漸減傾向が続いている。要因としては小型家電の流通量減少や製品形態の変化(軽量化等)が推測されている(【報告書案】p.2)。

回収目標の再設定

多様化した回収ルートの総和で目標達成を目指す考え方

今回の評価・検討では、回収量目標は引き続き14万トン/年としつつ、目標年度を令和5年度から令和11年度(2029年度)へ再設定する方針が示された(【個別論点】p.4、【今後の対応】p.1)。

あわせて、小型家電リサイクル法に基づく回収だけでなく、改正資源有効利用促進法や再資源化事業等高度化法に基づく回収、国内外のe-scrapの回収についても回収量目標の対象に含める方向で検討されている。

多様化した回収ルートの総和で目標達成を目指す考え方である(【個別論点】p.6)。

ポータブル電源の処分スキームはどう変わるのか

現時点でポータブル電源は小型家電リサイクル法の対象外である。

そのため、市町村がリチウム蓄電池使用製品として回収しても、引き渡し先の選択肢が限られていた。

自治体ヒアリングでも、ポータブル電源について「処理先が決まっていない」「処理会社より引取不可とされている」という声が複数上がっている(【個別論点】p.13 自治体②③⑦)。

品目追加後の処分ルート

4品目を対象品目に追加することで、リチウム蓄電池使用製品として回収したものを再度分別することなく、小型家電認定事業者に引き渡すことが可能になる。

【個別論点】p.12の処分スキーム図によると、品目追加後のポータブル電源の引き渡し先は3つのルートが想定されている。

JBRC(一般社団法人JBRC)2、その他の廃棄物処理事業者等、そして小型家電認定事業者3である。

品目追加前は小型家電認定事業者へ直接引き渡すルートがなかったが、追加後はこのルートが新たに開かれる。

認定事業者の現状

令和8年2月末時点で、全国に61の事業者が小型家電リサイクル法の認定を受けている4

すべての都道府県において複数の認定事業者が収集区域として認定されており、全国的にリサイクルの担い手が存在する(【報告書案】p.4)。

市町村の制度参加率も高い。令和6年度時点で市町村数ベースで約86%(1,502市町村)、人口ベースでは約95%に達している(【報告書案】p.5)。

対象品目追加のメリットとデメリット

【個別論点】p.14では、品目追加した場合としない場合の比較が整理されている。

品目追加した場合のメリット

小型家電リサイクルルートで再資源化することにより、不燃ごみ処理施設やプラスチック中間処理施設等での発火事故の低減が期待

引き渡し先事業者を探すことが難しい場合でも、小型家電リサイクル認定事業者(全国約60者)への引き渡しが可能になる。

小型家電リサイクルルートで再資源化することにより、不燃ごみ処理施設やプラスチック中間処理施設等での発火事故の低減が期待できる。

加熱式たばこデバイスやモバイルバッテリー等の一般廃棄物収集運搬や処分の許可が不要となる。

小型家電リサイクルルートでは国による認定審査や定期的な立入検査が実施されることから、適正な再資源化が担保される。

自治体は資源循環に貢献できる。国が国内資源循環、重要鉱物の資源循環、リユースの推進、プラスチックリサイクルの推進等の実績公表を行うため、自治体の取り組みが可視化される。

品目追加した場合のデメリット

変形・膨張したモバイルバッテリーが小型家電回収BOXに混入することで、発火リスクが急増する恐れがある。

小型家電リサイクル認定事業者における発火事故が増加する可能性がある。

リチウム蓄電池等と小型家電の回収BOXを分ける場合、回収方法を変更する必要がある。

品目追加しない場合のリスク

国内で資源循環されず、資源が不適正ルートや海外流失する可能性がある。

加熱式たばこデバイスやモバイルバッテリー等の処理事業者を探す必要があり、近隣に事業者がいなければ遠方までの運搬コストがかかる。

自治体の反応:9自治体すべてが賛成

自治体ヒアリングでも、ポータブル電源について「処理先が決まっていない」「処理会社より引取不可とされている」という声が複数上がっている

リチウム蓄電池等の分別収集を開始した(または開始予定の)9自治体に対してヒアリングが実施された。

結果、4品目の対象品目への追加に関して、すべての自治体が「賛成」又は「どちらかと言えば賛成」と回答している(【個別論点】p.13)。

ポータブル電源に関する自治体の主な意見

ポータブル電源については特に肯定的な意見が目立った。

ある自治体は以下のように回答している(自治体①)。

「ポータブル電源については本来ならばメーカーが回収するのが筋ではないかと思うが、小型家電リサイクル法の対象品目に追加し、認定事業者に引き渡しできるようになり、引き渡し先の選択の幅が広がるほうが良い」

別の自治体は「ポータブル電源は、回収後に焼却しているので、品目追加になれば再資源化できるようになる」「回収していないので、品目追加していただけると有難い」と回答(自治体②)。

また「ポータブル電源については、まだ処理先が決まっていないので、品目追加をしていただけると有難い」(自治体③)、「ポータブル電源は処理会社より引取不可とされているため、追加されれば引き渡し先が確保できて有難い」(自治体⑦)という声もあった。

ポータブル電源の回収ボックスでの回収方法については「ポータブル電源はどうするか今まで悩んでいたので、品目追加されれば周知しやすくなる」(自治体⑤)という意見も出ている。

※自治体番号はすべて【個別論点】p.13「対象品目追加に関する自治体ヒアリング結果」の表記に準拠

市町村のリチウム蓄電池回収の現状

市町村におけるリチウム蓄電池等の回収状況も資料で明らかにされている。

令和5年度時点で、リチウム蓄電池及びリチウム蓄電池使用製品の両方を回収していると回答した市町村は全体の63.6%。

製品のみ回収が6.9%、電池のみ回収が4.9%で、合計75.4%(1,313市町村)がなんらかの形で回収に取り組んでいる。

一方、回収していないと回答した市町村も24.6%存在する(【個別論点】p.11)。

回収を行わない理由

市町村自らリチウム蓄電池等の回収を行わない理由として最も多かったのは

「一般社団法人JBRCによる回収や民間企業の小売店回収等を住民へ周知している」

で、リチウム蓄電池では55.2%、リチウム蓄電池を使用した製品では43.4%に上った。

次いで「組織体制の整備や人員確保が困難」(リチウム蓄電池25.6%、製品28.6%)、「近隣に引き取りが可能な事業者又はその他適正な者がいない」(リチウム蓄電池21.0%、製品23.2%)と続いている(【個別論点】p.11、データ出典:一般廃棄物処理実態調査(令和6年度、環境省)5)。

一般廃棄物処理システムの指針改定との整合性

令和6年度末に「市町村における循環型社会づくりに向けた一般廃棄物処理システムの指針」が改訂された。

この改訂では、リチウム蓄電池等を1つの分別回収区分として新たに設定している。

この指針は自治体による分別収集の区分であり、収集したものを事業者に引き渡す際の区分ではない。

そのため、リチウム蓄電池等の区分で収集したものでも、小型家電リサイクル制度の対象品目であれば認定事業者に引き渡すことができる。

つまり、指針の改訂と品目追加の内容は矛盾しない。

ただし、多くの自治体が既にリチウム蓄電池等の分別回収を始めていることを踏まえ、品目追加に関する周知を慎重に実施していく必要があるとされている(【個別論点】p.9-10)。

資源循環と重要鉱物の観点

重要鉱物資源としてのリチウム蓄電池
重要鉱物資源としてのリチウム蓄電池

ポータブル電源に搭載されるリチウム蓄電池には、重要鉱物(パラジウム、ニッケル、コバルト、リチウム等)が使用されている。

【報告書案】では、小型家電リサイクル制度において選別の高度化等を行い、重要鉱物のリサイクルを推進すべきとされている(【報告書案】p.17)。

国際的な資源確保の文脈

【報告書案】では、我が国の製造業は重要鉱物をはじめとして海外への依存度が高く、地政学的リスクにさらされていると指摘している。

一次資源(天然資源)だけでなく二次資源(再生資源)にも着目することが経済安全保障の確保に重要であるとしている(【報告書案】p.2)。

令和7年10月には「リチウムイオン電池総合対策関係省庁連絡会議」が設置され、同年12月末に「リチウムイオン電池総合対策パッケージ」が取りまとめられている。

品目追加はこうした政府全体の資源循環政策とも軌を一にしている(【報告書案】p.10)。

電池の取り扱いに関する注意点

【報告書案】では、リチウム蓄電池使用製品の廃棄について重要な指摘がある。

リチウム蓄電池使用製品は「電池一体型」と「電池取外可能型」に大別される。

電池一体型の製品は、小型化・軽量化や安全性・防水性を確保するため、消費者による解体が推奨されていない。

そのため、製品中のリチウム蓄電池は取り出さず、そのままの状態で廃棄することとするべきとされている。

一方、電池取外可能型の製品については、消費者がリチウム蓄電池を取り外して廃棄することが望ましいとされている(【報告書案】p.18-19)。

ポータブル電源は大容量のリチウムイオン電池を内蔵する電池一体型の製品がほとんどであるため、分解せずそのまま適切なルートで排出することが重要になる。

ポータブル電源は大容量のリチウムイオン電池を内蔵する電池一体型の製品がほとんどであるため、分解せずそのまま適切なルートで排出することが重要になる。

今後の対応:基本方針の見直しと政令改正

【今後の対応】では、具体的な今後の取り組みが整理されている。

基本方針の見直し

基本方針の見直しと政令改正

制度全般として、回収量目標は引き続き14万トン/年とする。目標年度を令和5年度から令和11年度に改める。その他所要の改正を行う(【今後の対応】p.1)。

市町村が取り組むべき事項として、ボックス回収に加えステーション回収やピックアップ回収の実施検討、小型家電リサイクル法に基づくすべての制度対象品目の回収・再資源化の実施検討が明示されている。

認定事業者については、プラスチック・重要鉱物資源等の再資源化の推進、再使用(リユース)の推進が求められている。

品目追加の進め方

品目追加については「加熱式たばこデバイス、電子たばこデバイス、モバイルバッテリー及びポータブル電源について、小型家電リサイクル法の対象品目に追加してはどうか」と提案されている。

あわせて「多くの自治体が既にリチウム蓄電池等の分別回収を始めている実態を踏まえ、品目追加に関する周知を慎重に実施してはどうか」とも記載されている(【今後の対応】p.1)。

リチウム蓄電池発火防止関連

市町村は小型家電リサイクル制度へ参加する際、リチウム蓄電池等について発火防止や安全性を確保した上で認定事業者等に引き渡すこととされている。

認定事業者は、使用済リチウム蓄電池使用製品の解体が難しい場合は、リチウム蓄電池等の再資源化が可能な事業者と連携して再資源化を実施することとされている(【今後の対応】p.1)。

まとめ:制度変更の論点整理

制度面の変更:ポータブル電源が小型家電リサイクル法の対象品目に追加される見通し。政令改正によって実現される。

今回の合同会合で示された方針のうち、ポータブル電源に関する主要な論点を整理する。

制度面の変更:ポータブル電源が小型家電リサイクル法の対象品目に追加される見通し。政令改正によって実現される。

背景:リチウムイオン電池による発火事故が2020年度の50件から2024年度の312件へと急増。回収量は目標14万トンに対して約8.7万トンにとどまっている。

処分ルートの変化:品目追加により、市町村が回収した製品を小型家電認定事業者(全国約60者)に引き渡すルートが新たに開かれる。

自治体の評価:ヒアリングを受けた全9自治体が賛成。ポータブル電源については「処理先が決まっていなかったので有難い」という声が複数あった。

今後の注視点:政令改正の時期、具体的な回収方法の詳細、回収ボックスでの扱い方(サイズの問題)などは今後明らかになると考えられる。

なお、今回示された方針はあくまで審議会における提案であり、正式な政令改正の手続きはこれからである。具体的な回収方法や開始時期についての続報を待ちたい。

引用資料一覧

いずれも令和8年3月10日開催の合同会合(産業構造審議会 小型家電リサイクルワーキンググループ 第3回/中央環境審議会 小型家電リサイクル小委員会 第4回)の配付資料である。

本文中の略称正式名称発行元
【議事次第】資料1 議事次第経済産業省・環境省
【個別論点】資料3 小型家電リサイクル制度の個別論点について環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課 資源循環制度推進室/経済産業省 イノベーション・環境局 GXグループ 資源循環経済課
【報告書案】資料4 小型家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)産業構造審議会 小型家電リサイクルWG/中央環境審議会 小型家電リサイクル小委員会 合同会合
【今後の対応】資料5 小型家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)に基づく今後の対応について経済産業省・環境省
【前回資料】参考資料1 小型家電リサイクル制度の評価・検討について(令和7年10月24日資料)環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課 資源循環制度推進室/経済産業省 イノベーション・環境局 GXグループ 資源循環経済課

脚注

  1. 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 小型家電リサイクルワーキンググループ(第3回) ↩︎
  2. JBRC(一般社団法人JBRC) ↩︎
  3. 小型家電認定事業者 ↩︎
  4. 認定事業者および連絡先一覧 ↩︎
  5. 一般廃棄物処理実態調査(令和6年度、環境省) ↩︎