BLUETTI FridgePower vs Jackery FridgeGuard|冷蔵庫だけ守るポータブル電源

BLUETTI FridgePower vs Jackery FridgeGuard|冷蔵庫だけ守るポータブル電源

停電で守りたい家電を一つだけ選ぶなら、冷蔵庫を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

冷蔵庫が止まると、数時間で食品の安全性が気になり始めます。冷凍食品、作り置き、ふるさと納税の冷凍品、温度管理が必要なもの。どれも、停電が長引くほど損失が大きくなります。

BLUETTI FridgePower と Jackery FridgeGuard は、その冷蔵庫を守ることに焦点を合わせた薄型のバックアップ電源です。普通のポータブル電源を冷蔵庫用に流用するのではなく、冷蔵庫の近くに常設することを前提に作られています。

BLUETTI FridgePower は拡張性とシステム性を重視する人向けです。Jackery FridgeGuard は、冷蔵庫まわりに美しく常設したい人に向いています。

どちらが上というより、目指している方向が違います。この記事では、なぜ冷蔵庫専用ポータブル電源が出てきたのか、2機の思想はどこが違うのか、日本で見るときに何を確認すべきかを整理します。

結論:拡張して使うならBLUETTI、生活空間になじませるならJackery

BLUETTI FridgePower は、2,016Whの容量と1,800Wの出力を備えた冷蔵庫向けバックアップ電源です。BlueCell 200を追加すると、最大8,064Whまで拡張可能。

Jackery FridgeGuard は、1,024Whの容量と800Wの出力を備えた薄型バックアップ電源。拡張バッテリーを使うと、最大2,048Whまで増やせます。

容量と出力だけを見ると、FridgePowerの方が一段大きい製品です。冷蔵庫だけでなく、冷凍庫、アクアリウム、ルーター、車載電源まわりまで広げて考えたい人には、BLUETTIの方が合いやすいでしょう。

一方で、FridgeGuardは容量も出力も控えめです。そのぶん、本体は薄く、軽く、デザインも洗練されています。冷蔵庫を中心に、キッチンやリビングへ自然に置きたい人にはJackeryの良さが出ます。

FridgePowerは「冷蔵庫を中心に、電源システムを育てる製品」。FridgeGuardは「冷蔵庫を中心に、生活空間へきれいに収める製品」。この違いで見ると、単なる容量比較では見えない選び方ができます。

先に比較表:2機は同じカテゴリでもクラスが違います

項目BLUETTI FridgePowerJackery FridgeGuard
製品の方向性冷蔵庫バックアップを電源システムとして広げる冷蔵庫バックアップを生活空間に収める
容量2,016Wh1,024Wh
定格出力1,800W800W
サージ出力日本仕様は3,000W1,600W
UPS切替10ms以下10ms
厚さ約78mm約67mm
拡張BlueCell 200で最大8,064Wh専用拡張で最大2,048Wh
電池LiFePO4LiFePO4
設置平置き・縦置き・壁掛け床置き・上置き・壁掛け
ソーラー充電対応対応
車載連携Charger 2 / DC HUBなど周辺展開ありJackery系アクセサリーとの連携が中心
日本仕様100V・50/60Hzの情報あり現行公開仕様は北米120V/60Hz
日本発売正式価格・発売日は確認待ち正式価格・発売日は確認待ち

Jackery FridgeGuardの120V表記は、現行の北米向け公開仕様です。日本で正式販売される場合は、日本の家庭用電源に合わせた仕様になると考えるのが自然です。ただし、国内版の正式仕様が出るまでは、発売前情報として扱います。

なぜ冷蔵庫専用ポータブル電源が生まれたのか

冷蔵庫専用ポータブル電源が出てきた背景には、北米の停電事情があります。

米エネルギー情報局によると、2024年の米国では、1顧客あたり平均で約11時間の停電が発生しました。1

この11時間という数字は、過去10年平均のほぼ2倍です。主な要因はハリケーンなどの大規模イベントで、2024年の停電時間の80%を占めたとされています。

冷蔵庫は、停電被害がとても分かりやすい家電です。FoodSafety.govは、停電時にドアを閉めたままでも、冷蔵庫内の食品を安全に保てる目安は約4時間と案内しています。2

つまり、北米では「停電は数時間から十数時間続くことがある」「冷蔵庫の中身は数時間で不安になる」というズレが、現実的な損失になっています。

家庭用蓄電池で家全体を守る方法もあります。ただ、価格も工事も大がかり。発電機は燃料や騒音の問題があり、屋内では使えません。

普通のポータブル電源でも冷蔵庫は動かせます。ただ、持ち運ぶ前提の箱型デザインは、冷蔵庫まわりに常設するには少し置きにくいことがあります。

そこで生まれたのが、冷蔵庫専用の薄型バックアップ電源です。

家全体を守るほど大げさではない。けれど、冷蔵庫だけは止めたくない。その中間にある需要を、BLUETTIやJackeryが見つけたのではないでしょうか。

ポータブル電源市場は年々拡大しています。競争も激化しつつある中、消費者のニーズを細かく拾い上げる局面に来たとも言えるでしょう。

冷蔵庫専用ポータブル電源は、「家全体の停電対策」ではなく「いちばん困る家電から守る停電対策」です。賃貸やマンションで工事が難しい家庭ほど、この割り切りは使いやすくなります。

薄型になった理由:持ち運ぶ電源ではなく、置いて待つ電源だから

FridgePowerとFridgeGuardが薄型なのは、見た目だけのためではありません。

普通のポータブル電源は、持ち運ぶ箱です。取っ手があり、前面にポートが並び、キャンプや防災用品に近い形をしています。

冷蔵庫専用ポータブル電源は、少し違います。基本的には持ち運ばず、コンセントと冷蔵庫の間に入れて、ずっと置いておく製品です。

そうなると、求められる形が変わります。

冷蔵庫の上に置けること。横や棚のすき間に収まること。壁掛けにも対応できて、普段から見えていても気になりにくい。キッチンの雰囲気を大きく崩さないことも大切です。

この条件から逆算すると、薄型になるのは自然です。

TechRadarは、FridgePowerについて、従来のキャンプ向けポータブル電源とは違い、現代的な家電に近い控えめなデザインだと評しています。3

The Vergeも、FridgeGuardについて、冷蔵庫の上・横・後ろに置ける67mm厚の薄型電源として紹介しています。4

冷蔵庫専用ポータブル電源は、ポータブル電源を小さくした製品ではありません。家の中に常設するために、ポータブル電源の形を変えた製品といえます。

BLUETTI FridgePowerの見どころ:拡張していく冷蔵庫バックアップ

BLUETTI FridgePowerは、新しいカテゴリに真っ先に飛び込むBLUETTIらしい製品です。

2,016Whの本体に、BlueCell 200を最大3台まで追加できます。最大容量は8,064Whです。

この拡張性が、FridgePowerの大きな強みです。冷蔵庫だけなら本体のみ。冷凍庫やアクアリウムも守りたいなら拡張。長めの停電や車中泊まで考えるなら、さらに周辺機器と組み合わせる。そういう広げ方ができます。

FridgePowerは、ソーラー入力や車載系アクセサリーとの連携も意識されています。BLUETTIのCharger 2やDC HUBと組み合わせると、車中泊やバンライフの電源システムにもつなげやすい構成です。

また、BLUETTIはスマートホーム連携にも前向きです。FridgePowerでは、Alexa、Google Home、Home Assistantとの連携が公式ページ上で案内されています。

このあたりは、かなりBLUETTIらしいところです。単体のポータブル電源というより、周辺機器を足していく電源システムとして見た方が魅力が分かりやすくなります。

FridgePowerは、容量の大きな薄型電源というだけではありません。冷蔵庫、冷凍庫、アクアリウム、車載、ソーラー、スマートホームまで広げる余地を持った製品です。最初から全部使わなくても、あとから構成を育てられるのがBLUETTIらしさです。

FridgePowerで気になるところ:設置場所と付属品は確認したい

FridgePowerは薄型ですが、軽い製品ではありません。

本体重量は約19.7kgです。冷蔵庫の上に置く場合は、冷蔵庫側の耐荷重や安定性を確認した方が安心です。

壁掛けにする場合も、取り付ける壁の強度が大切です。賃貸では壁に穴を開けにくいこともあります。実際の設置では、カタログ写真のようにきれいに収まるとは限りません。

TechRadarのレビューでも、FridgePowerは設置自体は簡単だが、キッチンのレイアウトによって置き場所に悩む場合があると指摘されています。

もう一つ気になるのは、表示や付属品です。FridgePowerは本体前面の表示がかなりシンプルで、詳細な確認はアプリやオプションのマグネット式ディスプレイに寄っています。

冷蔵庫の裏や棚の下に隠して使うなら、外から状態を確認できる表示器は便利です。できれば国内販売時に、何が標準で付くのかを確認したいところです。

FridgePowerは薄型ですが、設置場所を選ばない製品ではありません。冷蔵庫上、壁掛け、床置きのどれで使うかを先に考えておくと、購入後の違和感を減らせます。

Jackery FridgeGuardの見どころ:非常用電源を生活空間に置ける形へ

Jackery FridgeGuardは、FridgePowerとは違う方向でよくできています。

容量は1,024Wh。定格出力は800W。サージ出力は1,600Wです。

この数字だけを見ると、BLUETTIより控えめです。エアコンや大型調理家電まで考える製品ではなく、冷蔵庫を中心に必要なものを守る構成といえます。

ただ、FridgeGuardの魅力はそこだけではありません。

本体は約67mmの薄型です。壁掛け、床置き、冷蔵庫上への設置を想定しています。

デザインもかなり家電に近い印象です。シルバーの薄型筐体と小さな丸型ディスプレイは、従来のポータブル電源とは別物に見えます。

T3は、FridgeGuardを「バックアップ電源を非常用品から生活空間に置ける製品へ変えるもの」として評価しています。この見方は、かなりしっくりくるのではないでしょうか。5

Jackery FridgeGuardは、非常用電源をキッチンやリビングへ置けるものに変えようとしている製品です。容量や出力の大きさではなく、生活空間に常設できることが強みです。

容量と出力の違い:冷蔵庫だけならJackery、その先まで見るならBLUETTI

容量では、BLUETTI FridgePowerが2,016Wh。Jackery FridgeGuardは1,024Whです。

単純に見ると、BLUETTIはJackeryのおよそ2倍。拡張時も、BLUETTIは最大8,064Wh、Jackeryは最大2,048Whと差が開きます。

この差は、停電が長引いたときに表れます。

冷蔵庫だけを数時間から半日ほど守るなら、FridgeGuardでも十分な場面があります。短時間の停電や、冷蔵庫中心の備えなら、むしろ薄さと設置性の良さが目立つでしょう。

一方で、冷凍庫、アクアリウム、ルーター、照明、スマートホーム機器まで守りたいなら、FridgePowerの方が余裕があります。

出力の違いもあります。

FridgePowerは1,800W出力。小型の調理家電や複数機器の同時利用まで考えやすい水準です。

FridgeGuardは800Wで、冷蔵庫を中心に低消費電力の機器を守る設計といえます。

どちらも冷蔵庫専用と考えるなら十分な出力ですが、冷蔵庫以外も同時に使うならBLUETTIの方が扱いやすくなります。

UPS切替とサージ出力:冷蔵庫では起動時の余裕も見たい

どちらの製品も、停電時に自動でバッテリー給電へ切り替わる仕組みです。

FridgePowerは10ms以下のUPS切替をうたっています。

FridgeGuardも10msのUPS切替。ほぼ同水準です。

冷蔵庫で大事なのは、連続消費電力だけではありません。コンプレッサーが起動する瞬間に、一時的に大きな電力が必要になることがあります。

  • FridgePower:サージ出力は3,000W
  • FridgeGuard:サージ出力1,600W

一般的な家庭用冷蔵庫だけなら、どちらも対応しやすい水準です。ただし、大型冷蔵庫、業務用冷凍庫、古い機種、複数機器の同時接続では確認が必要になります。

冷蔵庫は常に同じ電力を使うわけではありません。コンプレッサーの起動時だけ電力が跳ねることがあります。定格出力だけでなく、サージ出力も確認しておくと安心です。

デザインと設置性:家電のように見せるJackery、システムとして隠すBLUETTI

デザインの印象は、かなり違います。

FridgePowerは、白系の薄型パネル。冷蔵庫や壁まわりに置くことを意識した、家電寄りのデザインです。

Jackery FridgeGuardは、さらにインテリア寄りの仕上がり。メタリック調の薄型筐体と丸型ディスプレイは、見える場所に置く前提で作られているように感じます。

ここは、Jackeryの強みが出ている部分です。

ポータブル電源は、これまで「非常用品」や「アウトドア用品」の雰囲気が強いものでした。FridgeGuardは、その印象をかなり薄めています。

冷蔵庫の横に置く。キッチンの壁に掛ける。冷蔵庫の上に載せても違和感が少ない。そうした使い方ができて、見た目の抵抗感が小さいのは大きな価値です。

BLUETTIは、見せるデザインというより、薄く収めてシステム化する印象です。BlueCell 200や表示器、車載アクセサリーまで含めて、電源環境を組んでいく楽しさがあります。

つまり、デザインの方向性も少し違います。

  • Jackeryは、見える場所に置いても美しいこと
  • BLUETTIは、薄く収めて構成を広げられること

この違いは、実際の設置場所を考えると重要です。

エコシステムの違い:BLUETTIは広げる、Jackeryはそろえる

BLUETTIとJackeryは、エコシステムの考え方にも違いがあります。

BLUETTIは、拡張バッテリー、ソーラー、車載充電、スマートホーム連携など、構成を広げていく方向が強いメーカーです。

FridgePowerでも、BlueCell 200、Display 1、Charger 2、DC HUB、ソーラーパネルとの連携が見えています。

一方でJackeryは、自社製品でそろえる強さがあります。

SolarSagaシリーズ、専用ケーブル、アプリ、拡張バッテリーをJackeryの中でまとめる。迷いにくく、ブランド全体で統一感が出るのが特徴です。

これは、どちらが良いという話ではありません。

いろいろ組み合わせて広げたいならBLUETTI。
メーカーの中でそろえて、きれいに完結させたいならJackery。

そう見ると、選び方がはっきりします。

BLUETTIが完全に開いているわけではありません。拡張バッテリーはBlueCell 200が前提です。Jackeryも同じく、拡張は専用バッテリーが前提になります。ここでいう「広げる・そろえる」は、周辺機器や使い方の思想の違いです。

日本ではどう見るべきか:日常停電より、ピンポイント防災に合う

北米では、停電の多さが冷蔵庫専用バックアップの背景にあります。

日本は、日常的な停電時間だけで見ると、北米より安定している地域が多いです。ただ、地震、台風、豪雨などの災害リスクがあります。

だから日本では、「停電が多いから毎日のように備える」というより、「災害時に冷蔵庫と生活必需機器をピンポイントで守る」という文脈の方が合います。

家庭用蓄電池は工事が必要です。発電機は屋内で使えません。マンションや賃貸では、どちらも導入しにくいことがあります。

その点、冷蔵庫専用ポータブル電源は、コンセントと冷蔵庫の間に入れるだけです。工事不要で、必要な家電だけを守れるのが強みです。

日本で考えるなら、次の用途と相性がよさそうです。

冷蔵庫の食品や冷凍の作り置きを守る。乳幼児の食品や、温度管理が必要なものにも対応しやすくなります。ペット用品やアクアリウム、ルーターなど最低限の通信環境の維持まで広げられるのも安心材料です。

家全体を守るのではなく、止めたくないものから守る。これが、日本での現実的な使い方ではないでしょうか。

PSEと安全性:対象外でも、安全確認が不要という意味ではありません

ポータブル電源のPSEについては、少し丁寧に見たいところです。

経済産業省のFAQでは、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象とされています。6

ただし、これは「安全性を確認しなくてよい」という意味ではありません。

経済産業省は、交流出力を持つポータブル電源について、火災や感電など一定の電気的リスクがあるとして、安全性要求事項を取りまとめています。7

つまり、PSEマークの有無だけで安全性を判断するのは適切ではありません。

国内正規品として見るなら、次の点を確認したいところです。

国内向けの電圧仕様。付属ACケーブルや充電器の扱い。技適の有無も大切です。保証期間と修理対応、安全規格や第三者認証があるか。回収・廃棄の案内まで確認しておくと安心です。

PSEマークがないから危険、という話ではありません。反対に、PSE対象外だから何も心配しなくてよい、という話でもありません。

このあたりは、ポータブル電源の安全性を考えるうえで大切です。詳しくは、こちらの記事でも整理しています。

PSEは「マークがあるかどうか」だけで見ると誤解しやすい項目です。国内版が出たら、電圧仕様、付属品、技適、保証、安全規格まで含めて確認するのがおすすめです。

FridgePowerが向いている人:冷蔵庫の先まで守りたい人

FridgePowerが向いているのは、冷蔵庫だけでなく、その先まで考えたい人です。

たとえば、冷蔵庫と冷凍庫を両方守りたい家庭。アクアリウムやペット関連の機器を止めたくない方にも合います。ルーターや小型照明もまとめて動かしたいなら、なおさらです。

また、車中泊やバンライフまで見据えるなら、BLUETTIの周辺機器との相性も魅力になります。

FridgePowerは、最初は冷蔵庫用として導入し、必要に応じてBlueCell 200を追加していく使い方ができます。長時間停電に備えたい人には、この拡張性が安心材料になります。

ただし、設置場所と重量は確認したいところです。薄型でも約20kgあります。冷蔵庫の上に置く場合や壁掛けにする場合は、実際の住環境に合うかを先に考えておくと安心です。

FridgeGuardが向いている人:冷蔵庫を美しく守りたい人

FridgeGuardが向いているのは、冷蔵庫を中心に、すっきり備えたい人です。

家全体ではなく、まず冷蔵庫を守りたい。キッチンに置くものだから、見た目も大切にしたい。Jackery製品でそろえたい。そういう方には、FridgeGuardの方向性が合います。

容量は1,024Whなので、長時間停電や複数機器の同時運用ではFridgePowerほどの余裕はありません。

ただ、冷蔵庫を数時間から半日程度守るという目的なら、むしろ扱いやすいサイズです。重量も約10.5kgで、FridgePowerより動かしやすくなっています。

Jackeryらしいデザイン性と、生活空間へなじませる考え方。ここに価値を感じるなら、FridgeGuardはかなり魅力的な製品です。

どちらも向いていない人:エアコンや家全体を動かしたい人

FridgePowerとFridgeGuardは、冷蔵庫を中心にしたバックアップ電源です。

エアコンを長時間動かしたい人には、どちらも慎重に見た方がよいでしょう。特にFridgeGuardは800W出力なので、エアコン用途には向きません。

FridgePowerは1,800W出力がありますが、エアコンは起動時や運転条件で消費電力が大きく変わります。安定して使うなら、より大容量の汎用ポータブル電源や家庭用蓄電池も候補に入ります。

また、家全体を自動でバックアップしたい人にも、この2機は少し違います。分電盤に接続する家庭用蓄電池ではなく、コンセントと家電の間に入れる個別家電向けの製品です。

防災用途で幅広く比較したい場合は、こちらの記事も参考になります。

よくある質問:ソーラーで充電できる?など

FAQ1:普通のポータブル電源でも冷蔵庫は動かせますか?

動かせます。

冷蔵庫の消費電力と起動時のサージに対応できるポータブル電源なら、普通のモデルでも冷蔵庫は動きます。

ただし、普通のポータブル電源は持ち運びを前提にしています。取っ手があり、箱型で、前面にポートが並ぶため、冷蔵庫のそばに常設すると置き場所に悩むことがあります。

冷蔵庫専用ポータブル電源は、そこを解決する製品です。薄く、壁掛けや上置きができ、停電時に自動で切り替わる。冷蔵庫まわりに置いて待機することを前提にしています。

FAQ2:ソーラーで充電できますか?

どちらもソーラー充電に対応しています。

FridgePowerは、DC入力最大1,000Wの情報があります。

FridgeGuardは、DC入力最大500Wの仕様が公開されています。

停電が長引いた場合、日中にソーラーで補充できるのは安心材料になります。ただし、冷蔵庫を動かしながらどのくらい回復できるかは、天候、パネル出力、設置角度、季節で大きく変わります。

以下のツールでお住まいの地域でどの程度ソーラー発電できるかシミュレーションできます。

FAQ3:停電時に何時間もちますか?

冷蔵庫の消費電力によります。

公式のランタイム表記は参考になりますが、そのまま自宅の冷蔵庫に当てはまるとは限りません。

冷蔵庫は、コンプレッサーが動く時間と止まる時間を繰り返します。周囲温度が高いほど、扉の開閉が多いほど、消費電力は増えやすくなります。

目安としては、冷蔵庫の年間消費電力量や実測ワット数から計算するのが安全です。容量Whを平均消費Wで割ると、おおよその時間が見えてきます。

たとえば、平均100Wで動く冷蔵庫なら、1,024Whは理論上約10時間です。実際には変換ロスや待機電力があるため、少し短く見ておく方が安心です。

FAQ4:エアコンにも使えますか?

冷蔵庫専用機として見るなら、エアコン用途は主目的ではありません。

FridgeGuardは800W出力なので、一般的な家庭用エアコンにはおすすめしにくいです。

FridgePowerは1,800W出力がありますが、エアコンは機種や運転条件で負荷が大きく変わる家電です。冷房・暖房、起動時、外気温によっても消費電力が変動します。

エアコンを重視するなら、冷蔵庫専用機ではなく、大容量の汎用ポータブル電源や家庭用蓄電池を検討した方が安心です。

FAQ5:どちらが先に日本で販売されそうですか?

現時点では断定できません。

BLUETTI FridgePowerは、日本仕様の電源情報が見えているため、国内展開への準備が進んでいる印象があります。

Jackery FridgeGuardは、Jackery Japanの販売網やサポート体制を考えると、日本投入の可能性は十分あります。ただし、現行公開仕様は北米向けなので、国内版の正式発表を待ちたいところです。

最終判断:冷蔵庫専用という新カテゴリをどう使うかで選びたい

BLUETTI FridgePowerとJackery FridgeGuardは、どちらも普通のポータブル電源とは少し違います。

持ち運ぶ箱ではなく、冷蔵庫のそばに置いて待つ電源です。停電時に自動で切り替わり、食品や温度管理品を守る。そのために薄型になり、壁掛けや上置きができる形になっています。

拡張性、長時間停電、冷凍庫やアクアリウム、車載・ソーラー連携まで考えるなら、BLUETTI FridgePowerが有力です。BLUETTIらしい、広げていく電源システムといえます。

冷蔵庫を中心に、キッチンへ美しく常設したいなら、Jackery FridgeGuardが魅力的です。容量は控えめですが、生活空間に置ける非常用電源としてよく考えられています。

冷蔵庫専用ポータブル電源は、家全体を守る製品ではありません。けれど、停電時にいちばん困るものから守るという意味では、とても現実的な選択肢になるかもしれませんね。

脚注

  1. U.S. Energy Information Administration「Hurricanes in 2024 led to the most hours without power in the United States in 10 years」 ↩︎
  2. FoodSafety.gov「Food Safety During a Power Outage」 ↩︎
  3. TechRadar「BLUETTI FridgePower review」 ↩︎
  4. The Verge「Jackery announces ‘world’s slimmest’ fridge battery」 ↩︎
  5. T3「Jackery wants to become the Dyson of backup power and its latest launch shows exactly how」 ↩︎
  6. 経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」 ↩︎
  7. 経済産業省「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」 ↩︎

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